「終活はもっと先の話だと思っていたけれど、そろそろ考えなきゃ……」
60代に入ってそう感じ始めた方も多いのではないでしょうか。定年や退職、体調の変化、親の相続を経験したことをきっかけに、自分の「その時」に備える必要性を感じる年代です。
終活は不安な未来を整えるための準備であり、残された人生をより良く生きるための第一歩でもあります。
本記事では、60代で本格的に始めたい終活のポイントと、後悔しないための準備方法をわかりやすく解説します。
目次
60代は終活を始めるベストタイミング
60代に入ると変わるライフステージ
60代は仕事を引退する人も多く、人生の大きな節目を迎える年代です。
時間や心に余裕が生まれ、「自分の人生をどう締めくくるか」を考えるゆとりも出てきます。
また、親世代の相続や葬儀を経験し、自分の終活も無視できないものとして意識し始める人も少なくありません。
70代以降では「できないこと」が増える可能性も
年齢を重ねるにつれて、判断力や体力は徐々に衰えていきます。
介護や医療の選択が必要になる前に、自分の希望を整理し、家族と共有しておくことがとても大切です。
60代は、まだ元気なうちに主体的な選択ができる貴重な時期と言えるでしょう。
後悔しないために準備したい5つのこと
エンディングノートで意思を明確にする
エンディングノートは、自分の人生の記録や希望を自由に残すツールです。
医療や介護、葬儀の希望、家族へのメッセージなど、形式にとらわれず書けるのが特徴です。
「書くことが多くて大変」と思わず、書けるところから始めましょう。
内容は何度でも見直してOKです。
デジタル遺品の整理とアカウント管理
写真、動画、SNS、クラウド上の文書など、いわゆる「デジタル遺品」は急増しています。
スマートフォンやPCに保存されているデータや、銀行・証券口座のログイン情報も家族が知らなければアクセスできません。
信頼できるパスワード管理ツールや紙の一覧表を活用し、安全な場所にまとめておくことが推奨されます。
財産・保険の棚卸しと一覧化
相続を円滑に進めるためには、財産の全体像を明確にしておくことが重要です。
預貯金・不動産・保険・株式などを一覧にしておくことで、相続人の負担を大きく減らすことができます。
同時に、保険内容の見直しも行いましょう。
保障内容が現状に合っているか確認することで、無駄な支出を減らすことにもつながります。
遺言書の作成を検討する
法的効力を持たせたい場合には、「遺言書」の作成が必要です。
特に、相続人以外に財産を残したい場合や、家族関係が複雑な場合には、公正証書遺言の作成を検討しましょう。
行政書士や司法書士への相談も視野に入れると安心です。
葬儀やお墓について考えておく
「葬儀は簡素にしてほしい」「海に散骨してほしい」など、自分の希望があるなら元気なうちに明確に伝えておくべきです。
また、お墓についても「先祖代々の墓に入るのか」「納骨堂を選ぶのか」「墓じまいをして永代供養にするのか」など、選択肢は多様化しています。
終活を始める前によくある不安と対処法
「自分の考えが変わったらどうするの?」
終活は一度きりの作業ではなく、人生の変化に応じて見直していくものです。
エンディングノートも遺言書も、内容の更新や書き換えが可能なので、最初から完璧を目指さず「今の自分の考え」を残しておくことが大切です。
「子どもに心配されそうで言い出しにくい…」
「終活」という言葉に重さを感じてしまう家族もいます。
そんな時は、「元気なうちに、家のことを整理しておきたくて」といった伝え方がおすすめです。
エンディングノートの存在を軽く紹介するだけでも、自然な話題にできます。
終活を無理なく進めるコツとツール
チェックリストやノートで進捗を見える化
終活はやることが多く、何から始めればいいか分からなくなることも。
そんなときは、チェックリストを活用することで、抜け漏れなくステップを確認しながら進めることができます。優先順位をつけて、1つずつ取り組めば大丈夫です。
LINEやアプリを活用して情報を整理
最近では、終活に役立つアプリも増えてきました。
たとえば、パスワード管理アプリや、エンディングノートをデジタルで記録できるアプリなどがあります。LINEのトーク保存機能やKeepメモなども、情報の共有・保管に役立ちます。
まとめ|60代こそ、前向きな終活を始めよう
60代は、終活を「考える」だけでなく「行動する」年代です。
健康なうちにエンディングノートを記入し、財産やデジタル情報を整理することで、将来の安心と家族への思いやりを形にできます。遺言書の検討や葬儀・お墓の意向も、今だからこそ自分の意思で選べるのです。
まずはできることから。無料テンプレートなども活用して、今日から一歩を踏み出してみましょう。