「終活って高齢者のものでは？」と思う方も多いでしょう。
しかし、SNSやスマホに生活の多くを預ける20代だからこそ、突然のトラブルや”もしも”の時に備えることが大切です。
この記事では、20代が今からできる終活の意味やメリット、実践ステップをわかりやすく解説します。
目次
20代が「終活」は早い？
20代で終活というと「まだ早い」と思われがちですが、実はデジタルネイティブ世代だからこそ直面する特有のリスクがあります。
ここでは、なぜ20代から終活に取り組むべきなのか、その背景にある現実的な理由を解説します。
終活は高齢者だけのものではない
終活は「人生の終わりの準備」として語られることが多いですが、実際には年齢を問わず役立つライフプランニングです。
若いうちから取り組めば、自分の将来設計を整理できるきっかけにもなります。実際に、厚生労働省の統計では、20代の死因トップ3は自殺、不慮の事故、病気となっており、決して他人事ではありません。
20代特有のリスクと課題がある
現代の20代は「デジタル資産」を多く持っています。
- SNSアカウント（Instagram、X、TikTokなど）
- 各種サブスクリプション契約
- オンラインバンキング
- 暗号資産（仮想通貨）
- クラウドストレージのデータ
こういったデジタル資産は、年齢問わず管理や共有を怠ってしまうと、家族によるデジタル機器やアカウントへのアクセスが困難になる可能性があります。
20代で終活を始める4つのメリット
「終活なんて面倒」「時間がない」と感じる方も多いでしょう。
しかし、20代で終活に取り組むことで得られるメリットは、単なる「もしもの備え」を超えて、日常生活や将来の目標達成にも大きく貢献します。
1. 生活をシンプルにできる
持ち物やデータを整理することで、身軽でシンプルな生活が可能になります。
ミニマリスト的な価値観にもつながり、月々の固定費削減にも効果的です。
2. 家族の負担を減らせる
銀行口座やパスワードを管理しておけば、突然の入院や事故の際に家族が困らずに済みます。
特に親世代にとって、デジタル資産の管理は未知の領域であることが多いため、事前準備が重要です。
3. キャリア設計につながる
エンディングノートを使って「自分が大切にしたいこと」を整理すると、キャリアやライフプランの明確化にも役立ちます。転職活動や人生の重要な決断時の指針にもなります。
4. 心の安定が得られる
「もしも」に備えて情報を整理しておけば、自分自身と家族に安心感を与えられます。
また、定期的な見直しを通じて、自分の成長や価値観の変化も実感できます。
【優先度別】20代がやるべき終活チェックリスト
「何から始めればいいかわからない」という方のために、優先度と所要時間で整理した実践的なチェックリストを作成しました。
🔴 最優先（今すぐやるべき）
理由：事故や急病時に即座に必要になる情報
デジタル遺品の基本整理
- パスワード管理の一元化
GoogleパスワードマネージャーやiCloudキーチェーンを活用。家族がアクセスできる方法も検討 - 重要アカウントのリスト作成
銀行、証券会社、保険会社のログイン情報を整理。口座番号とカスタマーサービス番号も記載 - 緊急連絡先の登録
スマホの緊急時情報に家族の連絡先を登録。医療情報（アレルギー、服薬中の薬）も追加
金銭管理の整理
- 不要なサブスク契約の解約
使っていない動画配信サービスやアプリの月額契約を見直し。年間で数万円の節約効果も - 銀行口座・クレジットカード一覧の作成
口座番号、カード番号、問い合わせ先を一覧化。自動引き落とし先も併せて記録
今週中に実践： パスワードマネージャーの設定と緊急連絡先の登録を完了させましょう。
🟡 重要（1ヶ月以内にやるべき）
理由：法的手続きや長期的な影響に関わる設定
SNS・デジタルサービスの設定
- Facebook追悼アカウントの設定
信頼できる人を「追悼アカウント管理人」に指定。アカウントの削除か追悼化かを選択 - Instagram追悼設定の確認
家族からの申請により追悼アカウント化が可能。事前にその旨を家族に伝達 - Google アカウントの無効化管理
3〜18ヶ月間アクセスがない場合の自動削除設定。重要データは事前にダウンロード - クラウドデータの整理
Google Drive、iCloud、Dropboxなどの重要ファイルを整理し、アクセス権限を設定
持ち物の整理
継続的に実施
- 1年以上使っていない物の処分
- 重要書類の整理（保険証券、契約書など）
- 思い出の品の選別（デジタル化も検討）
今月中に実践： SNSの追悼設定を一つずつ確認し、クラウドデータの大掃除を行いましょう。
🟢 余裕があれば（3ヶ月以内）
理由：長期的な人生設計と法的備え
- エンディングノートの作成
デジタル版がおすすめ。定期的な更新が容易 - 保険内容の見直し
生命保険、医療保険の受益者指定を確認 - 遺言書の基礎知識習得
20代でも自筆証書遺言は作成可能。法的要件を学習
法的注意点： デジタル資産の相続には複雑な法的問題があります。重要な暗号資産などがある場合は、専門家への相談も検討してください。
まとめ｜20代からの終活は「将来の安心と自分らしい人生」のための最高の投資
20代の貴重な時間を終活に使うことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、今から始める終活は、将来の不安を取り除くだけでなく、自分らしい人生を歩むための強力な武器になります。
20代の終活は「まだ早い」と思うかもしれませんが、実際には自分の未来を整える大切な投資になるはずです。