「生前整理って何から始めればいいの？」「まだ元気だけど、今のうちにやっておいた方がいいの？」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
生前整理とは、自分の身の回りのモノや情報をあらかじめ整理しておくことで、もしものときに家族の負担を減らすだけでなく、自分自身も安心してこれからの人生を過ごすための大切な準備です。
この記事では、生前整理でやることを具体的なステップに分けてわかりやすく解説。
はじめるタイミングや進め方、注意しておきたいポイントまで丁寧に紹介します。
生前整理とは？今のうちにやるべき理由
生前整理とは、自分の財産やモノ、人間関係、デジタル情報などを元気なうちに整理しておくことを指します。
遺品整理が「亡くなった後に家族が行うもの」であるのに対し、生前整理は「自分の意思で、生きているうちに進めるもの」である点が大きな違いです。
なぜ今から始めるべき？
- 家族に迷惑をかけずに済む
- 万が一のときに備えられる
- 残りの人生を身軽に過ごせる
- 物に縛られず、心の整理もできる
生前整理は単なる「片づけ」ではありません。
自分のこれまでの人生を振り返り、これからをより自分らしく生きていくための準備でもあります。
生前整理のやることリスト｜7つのステップで進め方を解説
ステップ1：目的を決める（生前整理を始める理由）
まずは、「なぜ生前整理をしたいのか」という自分の目的をはっきりさせましょう。
目的を明確にするポイント
- 「子どもに迷惑をかけたくない」「身軽な暮らしをしたい」など理由を明確に
- 目的を紙に書き出しておく
- 家族と共有して理解・協力を得る
やることチェック
- 生前整理を始める理由を書き出す
- ゴール（誰に何を残したいか）を明確にする
- 家族と目的を共有する
ステップ2：モノを整理する（片付けのコツ）
使っていないモノ、思い出だけ残しておきたいモノなどを分けていきます。おすすめは「要・不要・保留」の3つに仕分けすることです。
モノを減らすコツ
- 大量の衣類や趣味用品は優先して見直す
- 「いつか使うかも」はほとんど使わないと考える
- 思い出の品は写真で残して気持ちを整理
- 引き出し1つなど小さな範囲から始める
やることチェック
- モノを「要・不要・保留」に仕分ける
- 思い出の品は写真で残すなど代替方法を検討
- 小さな場所（引き出し1つ）から始める
ステップ3：書類の整理と優先順位の付け方
書類は見つけやすい場所にまとめ、必要なもの以外は処分しましょう。重要書類は一覧化しておくと家族にも伝えやすくなります。
重要書類の分類
最重要（金庫保管）
- 不動産権利証、株券、生命保険証券、年金手帳、実印
重要（ファイル保管）
- 通帳、健康保険証、医療関係、税務書類、各種契約書
やることチェック
- 書類の保管場所を1か所にまとめる
- 「最重要／重要」に分けて保管方法を整理
- 一覧表を作成して、家族が把握できるようにする
ステップ4：デジタル情報整理と注意点
パソコン・スマホのデータやSNS・メールアカウント、ネット銀行やサブスクなどのID・パスワードを整理します。紙にメモしたり、信頼できるパスワード管理アプリを活用するのも有効です。
デジタル情報整理のポイント
- SNS・メール・ネット銀行などのID/パスワードをまとめる
- 紙またはパスワード管理アプリで保存
- 不要なアカウントは削除・整理する
やることチェック
- ID・パスワードを一覧化
- 紙またはアプリで安全に保管
- 不要アカウントは削除
ステップ5：財産リスト化の方法とポイント
預貯金、証券、不動産、保険などを一覧化しておくことで、家族が資産を把握しやすくなります。ネット銀行や証券口座も忘れず記録しましょう。
やることチェック
- 銀行・証券・保険などの資産情報を一覧化
- ネット口座や暗号資産も記録する
- 保管場所を明記して家族が分かるようにする
ステップ6：エンディングノート作成
介護の希望、延命治療の有無、葬儀のスタイル、家族へのメッセージなどを書き残すと安心です。
エンディングノートに書くべき項目
- 介護・延命治療の希望
- 葬儀・お墓・供養に関する希望
- 家族・友人へのメッセージ
無理なく続けるためのコツ
最初から完璧を目指さず、書けるところから始めて少しずつ追記しましょう。
やることチェック
- 自分の意思（介護・治療・葬儀など）を書き出す
- 家族へのメッセージを少しずつ書く
- 書ける項目から始め、後で追記していく
ステップ7：家族に伝える
どんなに準備しても、家族に伝わっていなければ意味がありません。エンディングノートの存在と保管場所は必ず伝えましょう。
伝えるべき最重要情報の例
- エンディングノートの保管場所
- 重要書類や資産の概要
- 金庫・貸金庫の鍵の所在
- デジタル機器のパスワード
やることチェック
- エンディングノートの存在と保管場所を伝える
- 家族と必要最低限の情報を共有する
- 万が一に備え、情報が届く仕組みを作る
生前整理の注意点と優先順位
生前整理は一度に完璧を目指さず、優先度をつけて進めることが大切です。
- 優先1：重要書類・財産の把握
- 優先2：デジタル情報（ID・パスワード）の整理
- 優先3：モノ・思い出の品の整理
生前整理でやってはいけないこと
- 家族に相談せず独断で全て処分する
- 個人情報を不用意に廃棄する
- 資産や重要書類を分散したままにする
まとめ｜まずはエンディングノートから
生前整理を始めるなら、まずはエンディングノートを手に取ってみるのがおすすめです。
エンディングノートを通して、ゆっくり自分と向き合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。