相続放棄できないのはどんなとき?典型ケースと対処法を解説

相続放棄できないのはどんなとき?典型ケースと対処法を解説

相続放棄をすれば「借金を背負わずに済む」と考える方は多いでしょう。

しかし、実際には相続放棄が認められないケースが存在します。期限を過ぎてしまったり、知らないうちに遺産を使ってしまったりすると、放棄できなくなる可能性があります。

この記事では、相続放棄できない典型例と対処法を整理し、失敗を防ぐための注意点を解説します。

相続放棄できない典型ケース

相続

相続放棄は誰でも自由に行える手続きではなく、一定の条件を守らなければ認められません

相続人の行動や期限の過ぎ方によって「放棄できない状態」に陥ることもあります。以下で代表的なケースを確認しておきましょう。

法定単純承認が成立してしまった場合

相続人が遺産の一部を使ったり売却してしまうと、自動的に「相続を受け入れた」とみなされます。

これを法定単純承認と呼び、以降は相続放棄ができません。

相続財産の処分や換金といった行為が典型例のため、迷う場合は何も触れず専門家に相談するのが安全です。

熟慮期間(3か月)を過ぎてしまった場合

相続放棄は相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

この期間を過ぎると原則として放棄は認められません。

死亡日ではなく「相続が開始した事実を知った日」からカウントされる点を誤解しやすいため、起算点を記録しておきましょう。

必要書類に不備がある場合

家庭裁判所への申立書や添付書類に不足があると、相続放棄は受理されません。

戸籍謄本や申述書の記載誤りなど、細かな不備が原因になることもあります。

相続放棄できないケース早見表

相続

相続放棄ができない典型的な原因と、それに対する対処法を一目で把握できるように整理しました。

自分の状況がどこに当てはまるかを確認し、次のアクションを検討してください。

原因:期限切れ|具体例:3か月を経過|対処法:不服申立て、限定承認の検討

原因:単純承認|具体例:遺産を使用・売却|対処法:放棄不可、債権者との交渉

原因:書類不備|具体例:戸籍謄本など不足|対処法:補正申立て、専門家サポート

相続放棄が認められないとどうなるのか

放棄ができなかった場合に生じる影響を理解しておくことは重要です。

特に債務の取り扱いは生活に直結するため、早期に現状を把握し、必要に応じて代替手段を検討しましょう。

借金や債務を引き継ぐ

相続放棄ができないと、プラスの財産だけでなく借金や連帯保証なども引き継ぐ可能性があります。

返済義務が生じるため、家計への影響を見越した資金計画と、専門家への相談が有効です。

他の相続人に影響する

自分が放棄できなかった場合、他の相続人に負担が集中するおそれがあります。

結果として家族間のトラブルにつながることもあるため、早めに情報共有し、合意形成を図ることが大切です。

やむを得ず相続放棄できなかった場合の対処法

トラブル

「すでに放棄できない状態になってしまった」場合でも、取れる手段は残されています。

状況に応じて実行可能性と負担を比較し、最適な対応を選びましょう。

不服申立て(即時抗告)

家庭裁判所の判断に納得できない場合、一定の期限内で即時抗告を申し立てることが可能です。

認められるハードルは高いため、可否の見立てを専門家に相談し、理由書の整理から着手するのが現実的です。

限定承認の活用

相続財産の範囲内でのみ債務を負う限定承認という制度があります。

すべての相続人の合意が必要ですが、借金のリスクをコントロールできる点がメリットです。資産・負債の棚卸しを同時に進めると判断がしやすくなります。

債権者と交渉する

返済条件の緩和や分割など、債権者との交渉が現実的な選択肢になる場合もあります。

交渉の前提として、支払能力の見通しと代替案を用意し、交渉記録を残すことが重要です。

熟慮期間3か月のカウント例

熟慮期間を正しく理解することは、相続放棄の成否に直結します。

死亡日と「相続を知った日」が異なる場合、起算点が変わるため注意が必要です。

把握した日付をメモしておくと、手続きの遅れを防げます。

例1(死亡日と同日に知った):1月1日死亡→この日を起算点として4月1日までが熟慮期間

例2(死亡から数日後に知った):1月1日死亡/1月10日に知った→1月10日から3か月→4月10日まで

相続放棄で失敗しないための注意点

放棄できない事態を避けるには、日頃からの意識と準備が大切です。

相続財産に触れない、期限を意識する、専門家の力を借りるという基本を守るだけで、リスクを大きく減らせます。

相続財産に手を付けない

「使ってしまったら放棄できない」という大原則を徹底しましょう。

判断に迷う場合は、財産に触れず、まずは相談窓口へ。

期限内に判断するための準備

3か月は短く感じる場合も多いため、財産状況の確認と書類収集を早めに開始します。

起算点のメモとタイムライン作成が効果的です。

専門家に相談するメリット

複雑な書類作成や判断が必要になるため、司法書士や弁護士へ相談することでリスクを減らせます。

初回相談を活用し、必要書類の洗い出しから進めましょう。

なお、相続放棄は「事前に備えること」でもリスクを下げられます。

まとめ

相続放棄できない典型的なケースは、期限切れ・単純承認・書類不備の3つです。

放棄できなかった場合でも、限定承認や債権者交渉などの代替手段があります。

相続放棄は「時間」と「行動」に左右される手続きのため、迷ったら早めに専門家に相談し、家族の負担を最小限に抑えましょう。最新情報は裁判所の公式ページも必ず確認してください。

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