「遺品整理って、自分でできるのだろうか？」
そう思う方は少なくありません。遺品整理は業者に頼むイメージがありますが、多くのケースで自分でも進められます。
この記事では、初めて遺品整理を自分で行う方に向けて、準備から片づけ、デジタル遺品までを5つのステップで解説します。
効率よく、そして後悔しない整理を始めましょう。
目次
遺品整理を自分で始める前に知っておくこと
自分で遺品整理を進める前に、基本知識と注意点を押さえておくことが大切です。
整理を始めるタイミングや、メリット・注意点を理解することで、後悔しない準備ができます。
遺品整理とは？生前整理との違い
- 遺品整理：亡くなった方の所有物を整理し、必要なものは引き継ぎ、不要なものは処分する作業
- 生前整理：本人が生きているうちに進める身の回りの整理
遺品整理は感情的な負担が大きく、法的手続きや家族の調整が必要になる場合があります。
適切な開始時期
- 相続放棄を検討する場合：3か月以内
- 賃貸物件の場合：家賃負担を避けるため早めに
- 相続税申告がある場合：10か月以内を目安に
自分でやるメリットと注意点
メリット
- 費用を抑えられる（業者の1/3〜1/5程度）
- 故人の思い出に向き合える
- 自分のペースで進められる
注意点
- 作業が長期化しやすい
- 大型家具などの処分が大変
- 精神的・肉体的な負担が大きい
遺品整理を自分で進める5ステップ
ここからは、初心者でも今日から始められる5つのステップをご紹介します。
各ステップに時間の目安と実践のポイントを付けたので、計画を立てやすくなります。
ステップ1：必要品・不要品を分類する（目安：半日〜2日）
最初に、持ち物全体を「残す」／「処分する」で大きく分けます。ここを丁寧に行うと後の作業が格段にスムーズです。
- 形見・思い出の品
- 手続きに必要な書類
- 処分してよい不用品
ポイント
- 部屋ごと・エリアごとに進めて混在を防ぐ
- 迷う物は「保留箱」を作り3〜7日以内に判断
- 家族で意見が分かれる物は「基準（残す理由・手放す条件）」を共有
ステップ2：貴重品・重要書類を確認する（目安：半日）
仕分けと並行して、相続や各種手続きに必要な貴重品・重要書類を必ず確保します。
- 遺言書・保険証券・年金手帳
- 通帳・印鑑・不動産関連書類
- 契約書・株券・債券・貴金属類
ポイント
- 金庫・引き出しの奥・本の間・衣類ポケットまで確認
- 見つけた書類はA4ファイルにまとめ、家族と共有して一元管理
ステップ3：リユース・リサイクルに仕分けする（目安：半日〜3日）
処分予定の中でも、再利用できる物はリユース・リサイクルへ。売却・寄付・回収を組み合わせると費用を抑えられます。
- ブランド品・未使用品 → フリマ出品／買取業者
- 家具・食器 → 寄付団体・リユース業者
- 衣類 → 古着回収ボックス
- 書籍・CD・DVD → 古本屋・リサイクルショップ
ポイント
- 状態の良い物から優先して仕分け（高く・早く動く）
- 買取条件・引取可否・集荷日程を事前に確認
ステップ4：ゴミを自治体ルールに従って処分（目安：1日〜1週間）
不要品は自治体ルールに沿って正しく処分します。粗大ゴミや家電リサイクル対象は予約や手続きに時間がかかるため早めに着手を。
- 一般ゴミ：分別区分・収集日を確認
- 粗大ゴミ：事前申込み＋手数料が必要
- 家電リサイクル品：指定ルートで処分（家電リサイクル券は郵便局や量販店で取得）
- パソコン：メーカー回収や認定業者に依頼
ポイント
- 自治体の「ごみ分別アプリ」やサイトで最新ルールを確認
- 粗大ゴミ予約は早めに（繁忙期は枠が埋まりやすい）
ステップ5：掃除と部屋の再整理（目安：半日〜2日）
仕上げに清掃と原状回復を行います。賃貸は退去条件、持ち家は今後の活用（保管・賃貸・売却）を見据えて配置を整えます。
- 掃除機がけ・拭き掃除・窓拭き
- 水回りのカビ取り・消臭・除菌
- 賃貸は原状回復の範囲・チェック項目を管理会社に確認
ポイント
- 作業後は写真を残して「作業前後」を記録（トラブル予防）
- 無理に一度で終わらせず、計画を小分けにして段階的に進める
以上のステップを踏めば、心身の負担を抑えつつ計画的に進められます。
迷ったときは一旦「保留」にして、基準と期限を決めてから判断しましょう。
遺品整理を効率よく進めるコツ
自分で遺品整理をする場合は、作業の効率化と感情面のコントロールが大切です。
- 作業は1日ごとに小分けする
- 保留期間を設けて迷いを減らす
- 家族や友人に手伝ってもらう
自分で行う遺品整理の費用・期間目安
作業量は間取り・物量によって大きく変わります。
目安を知っておくとスケジュールが立てやすくなります。
| 物件タイプ | 作業期間 | 処分費用の目安 |
|---|---|---|
| 1LDK〜2DK | 1〜2週間 | 5〜8万円 |
| 3DK〜4LDK | 2〜4週間 | 10〜15万円 |
| 一軒家 | 1〜2か月 | 15〜20万円 |
※業者依頼の場合：20〜100万円程度
自分でやるのが難しいケースと業者活用タイミング
作業が肉体的・精神的に負担になりそうな場合は、業者の利用も検討しましょう。
- 30kg以上の大型家具や解体が必要な場合
- 孤独死・事故死で特殊清掃が必要な場合
- 害虫・カビ・悪臭がひどい場合
良い業者の特徴
- 明確な見積もりで追加料金なし
- 許可証の保有と実績あり
- 口コミ評価が高く、対応が丁寧
よくある質問（FAQ）
Q1. 遺品整理はいつから始めればいい？
体力・心の負担を考え、まずは「重要書類・貴重品の確認」「契約の停止」など緊急度の高いことから着手しましょう。
相続の手続きには目安となる期限があり、
相続放棄の検討は3か月以内、故人の所得の準確定申告は4か月以内、
相続税の申告は10か月以内です。
形見分けや処分は、これらの確認後に少しずつ進めると安心です。
Q2. 費用はどれくらいかかる？
目安は1LDKで5〜8万円ですが、物量・階数（エレベーター有無）・車両台数・清掃オプションで上下します。
節約したい場合は、自治体回収の併用や買取・リユースの活用、可燃／不燃などの事前分別が有効です。
見積りは現地で2〜3社比較すると、作業範囲の差や追加費用の有無が見えます。
Q3. 家族間で意見が分かれたら？
感情的になりやすい場面なので、保留期間を設定し、いったん判断を止めるのが有効です。
そのうえで「残す／手放す」の基準や優先順位を共有し、決まらない品は“保留箱”へ。
結論が出ない場合は、第三者（遺品整理士・行政書士・弁護士等）に相談して中立的な視点を取り入れましょう。
合意内容は簡単でも書面に記録しておくと後のトラブル予防になります。
Q4. 遺言書を見つけたら？
封があるものは開封しないで、速やかに家庭裁判所で「検認」の手続きを行います
（公正証書遺言は検認不要）。
見つけた場所・状態を記録し、相続人に共有して厳重に保管してください。
まとめ：自分で遺品整理するなら、準備と計画がカギ
遺品整理は、故人への最後のお世話です。
無理をせず、自分のペースで進めながら、思い出を大切にしましょう。
困ったときは専門業者の力も借りて、後悔のない片づけを目指してください。
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