スマホやパソコン、クラウドに眠る大量のデータ。
それらは、私たちの「デジタル遺品」として、死後に家族を悩ませる原因になることがあります。
パスワードのわからないアカウント、クラウドに保存された思い出の写真、解約できないサブスク……。
そこで注目されているのが「デジタル遺品サービス」。
この記事では、主なサービスの種類や選び方、比較表を通して、あなたに合った方法を紹介します。
目次
デジタル遺品とは?まず押さえておきたい基礎知識
そもそも「デジタル遺品」とは何か?
デジタル遺品とは、スマートフォン・パソコン・クラウドサービス・SNS・オンラインバンクなど、故人が利用していた「デジタル上の遺品」を指します。これらは形がないため、発見や管理が難しく、相続トラブルやプライバシー侵害に発展するケースも少なくありません。
なぜ問題になる?放置するリスクと現実
パスワードが不明なまま放置されたアカウントには、資産や個人情報が残っていることも。悪用されれば、思わぬ損害につながる可能性もあります。特にスマホロック解除やクラウドアカウントへのアクセスは、家族にとって大きなハードルです。
デジタル遺品サービスとは?種類と特徴を徹底解説
主なサービスの種類(対面型・オンライン型・ツール型)
デジタル遺品サービスには以下のタイプがあります。
- 訪問型(対面):作業員が自宅に訪問し、端末の解析やデータの取り出しを行う
- オンライン相談型:チャットや電話でアドバイスを受けながら自力で整理
- ツール提供型:チェックリストやノート形式のテンプレートで整理をサポート
目的や予算に応じて、自分に合ったスタイルを選べます。
提供事業者のタイプ(警備会社・IT企業・終活支援団体など)
信頼できるデジタル遺品サービスは、以下のような提供元によって運営されています。
- 警備・セキュリティ企業(例:ALSOK)
- IT・データ復旧企業
- 写真整理やエンディングサポートに特化した民間団体
それぞれの強みやサポート体制に違いがあるため、比較が重要です。
サービス比較|信頼できる主要デジタル遺品サービス一覧
サービス比較表(料金・対応範囲・特徴・サポート体制)
サービス名 | 運営会社 | 対応内容 | 費用目安 | 特徴 | 対応エリア |
---|---|---|---|---|---|
ALSOK デジタル遺品整理サポート | 綜合警備保障株式会社 | 端末解析・データ取り出し・相談支援 | 55,000円〜 | 警備会社による訪問型/安心の対応実績 | 全国(一部離島除く) |
メモリーズ | 株式会社メモリーズ | アカウント特定・クラウド解析・供養代行 | 30,000円〜 | 写真・SNS特化、クラウド対応が強み | 全国対応 |
デジタル遺品ドットコム | 株式会社マレリーク | PC・スマホ・記憶媒体の解析、復旧 | 要見積もり | データ復旧専門業者/法人対応も可能 | 全国 |
デジタル終活くん | フリー団体 | エンディングノート作成・指導型セミナー | 無料~15,000円程度 | 自分で学べる/シニア層に人気 | 関東中心 |
自分で準備 | ― | アカウント整理、パスワード記録など | 無料(テンプレ使用) | ガイドブックやチェックリストが役立つ | ― |
どのサービスも一長一短があります。訪問対応の安心感を取るか、自力でコストを抑えるか、状況に応じた判断が大切です。
選び方のポイント|後悔しないために知っておくべき3つの軸
料金とサービスのバランス
費用は3万円台〜10万円以上まで幅があります。解析精度や訪問対応の有無が価格に直結しているケースが多いため、サービス内容と費用を照らし合わせましょう。
サポート体制・相談方法の柔軟性
メールやLINE、電話など、相談手段が多いサービスは使いやすく安心です。対応時間もあらかじめ確認しておきましょう。
プライバシーとセキュリティ体制の確認
個人情報を扱う以上、情報の取り扱い体制は重要です。プライバシーポリシーや顧客情報の保護方針を確認しましょう。
まとめ|今すぐできる一歩から始めよう
「デジタル遺品 サービス」は、ただの整理代行ではありません。大切な思い出や資産を守り、家族に安心を残す手段です。
生前準備なら、まずは「アカウント情報の記録」から。死後対応なら、信頼できるサービスへの相談を。どちらのケースでも、この記事で紹介したチェックリストとガイドブックを活用すれば、自分にも家族にもやさしい第一歩を踏み出せます。