「スマホのロックが解除できない…」「SNSやクラウドに大切な写真があるのに見られない」——大切な人が遺したデジタル資産に、どう対応すればいいのか分からず困っていませんか?
近年、デジタル遺品整理を専門とする業者へのニーズが高まっています。
本記事では、依頼できる内容・費用相場・失敗しない業者選びのポイントを徹底解説。さらに、生前からできる対策まで、実践的にまとめました。
目次
デジタル遺品整理業者とは?
デジタル遺品整理業者は、PCやスマホ内のデータ、クラウドアカウント、SNSなど、形のない「デジタル遺品」の整理・削除・引継ぎをサポートする専門サービスを提供します。
そもそも「デジタル遺品」とは?
「デジタル遺品」という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。ですが今や、スマートフォンやSNS、ネット銀行などを使っていない人の方が少なくなってきました。誰にでも関係する“見えない遺品”として、注目が集まっています。
- スマホ・パソコンの中の写真や動画
- LINE・Instagram・X(旧Twitter)などのSNSアカウント
- クレジットカードの明細やネット銀行のログイン情報
- iCloud、Googleドライブなどのクラウドデータ
デジタル遺品整理業者の主なサービス内容
デジタル遺品整理業者は、単にデータを削除したり端末を初期化するだけではありません。スマホやパソコン、クラウド、SNSなど、あらゆるデジタル領域に対応した専門的なサポートを行ってくれます。
どこまで依頼できるのか、どんな場面で頼れるのかを把握しておくことで、自分たちの状況に合ったサポートを受けやすくなります。
- パスワード解析、スマホやPCのロック解除
- SNS・クラウドのアカウント削除・引き継ぎ
- データ復旧・完全削除(HDD/SSD等)
- サブスク解約やフィッシング対策
依頼できるデジタル遺品の具体例
スマホやパソコンのロック解除
「パスコードが分からない」「顔認証が解除できない」など、アクセス不能な端末も解析可能な場合があります。
SNSやクラウドサービスの整理
- FacebookやInstagram:追悼アカウント化・削除
- LINE:トーク履歴のバックアップまたは削除
- iCloud・Googleドライブ:ファイルの整理と共有設定の見直し
緊急度別の対応優先順位
- 最優先:金融関連サービス
- 高優先:継続課金サービス
- 中優先:SNS・コミュニケーション
- 低優先:写真・動画の整理・保存
料金相場とサービス内容の比較
デジタル遺品整理の費用は、依頼する内容によって大きく異なります。以下は主なサービスの相場感です。
- スマホロック解除:2万〜5万円(高難度は数十万円)
- PCログイン解除:1.5万〜3万円
- SNSアカウント削除代行:5千円〜2万円
- クラウドデータ整理:1万〜3万円
- データ復旧(HDDなど):3万〜8万円(重度は数十万円)
- データ初期化・完全削除:1万〜2万円
特にスマホやHDDの復旧は技術的難易度が高く、料金が跳ね上がるケースもあります。事前に見積もりを取り、作業範囲や追加費用を確認することが安心につながります。
業者を選ぶ5つのポイント
デジタル遺品整理は、スマホやPC、クラウド上の個人情報を取り扱う非常に繊細な作業です。そのため、「どの業者に依頼するか」が、安心かつ安全に整理を進めるうえで最大の鍵となります。
価格の安さだけで判断すると、後々トラブルになる可能性も。ここでは、信頼できる業者を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介します。
いずれも見落とすと情報漏洩や費用トラブルにつながる恐れがあるため、依頼前にしっかり確認しておきましょう。
- 許認可や資格の有無(古物商、プライバシーマーク、遺品整理士)
- 情報漏洩防止の体制(社内完結、作業記録、個室対応)
- 対応地域・緊急対応の有無(出張・郵送・24h受付など)
- 作業の透明性(詳細な見積もり・完了報告書の発行)
- 法的配慮(相続人確認、第三者情報の扱いなど)
業者選定時の必須質問リスト
信頼できそうな業者が見つかったら、契約前にいくつかの質問を投げかけてみましょう。質問への対応や回答の明確さは、その業者の姿勢や信頼性を見極める大きな判断材料になります。
以下では、依頼前に必ず確認しておきたい項目をリスト形式でご紹介します。事前にメモしておくことで、比較検討がしやすくなり、「思っていた内容と違った…」というトラブルを防ぐことができます。
- 作業はどこで行う?(出張か社内か)
- 外部委託の有無は?
- 解除失敗時の料金は?
- 削除証明書は発行される?
- キャンセル料・支払い方法は?
自分で対応する場合との比較
項目 | 自力対応 | 業者依頼 |
---|---|---|
費用 | 0円(時間コスト) | 3〜10万円前後 |
成功率 | 低い | 70〜90% |
セキュリティ | 不安あり | 専門対策あり |
所要時間 | 長期化しがち | 即日〜数日 |
悪質業者に注意!トラブル事例と対策
トラブル例
- 解除できないiPhoneに対して30万円の前金を請求された
- 故人の写真がネットに流出していた
- 前金支払い後に連絡が取れなくなった
対処法
- 相見積もりを取り、不審点があれば依頼しない
- 契約書に秘密保持・返金条件を明記
- 後払い・成功報酬型を選ぶ
生前整理でできるデジタル資産の備え
万が一に備えて、亡くなった後に家族が困らないようにするためには、生前のうちからデジタル資産を整理しておくことが非常に重要です。
パスワードの管理や、アカウントの所在を家族に伝えておくだけでも、相続や手続きの負担は大きく軽減されます。この章では、今日から始められる具体的な備えの方法をご紹介します。
生前整理でできる3つの備え
- ① パスワード管理ツールを使う
Googleパスワードマネージャーや1Passwordなどで、緊急時に備えた設定をしておくと安心です。 - ② デジタル終活アプリを活用
終活アプリを活用することで、家族と情報を安全に共有できます。 - ③ 家族に情報を伝えておく
アカウントの一覧やパスワードのヒント、資産の所在などは早めに共有を。
まとめ|信頼できる業者選びと早めの備えが安心への第一歩
- デジタル遺品の整理は技術・法律・情報管理の観点で専門家の力が必要
- 見積り・契約時の確認を徹底し、後払い・成功報酬型を活用
- 生前から情報整理をしておけば、残される家族の負担を大きく減らせる
もしもの時に備え、今日からできる「デジタル終活」をはじめてみましょう。