「終活を始めよう」と思ったとき、まず頭に浮かぶのが「片付け」です。けれども、いざ始めようとすると「何から手をつけるべきか分からない」「途中で挫折してしまいそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、このような悩みを解決し、実践しやすくて終活に効果的な片付け方法を5つのコツに分けてご紹介します。
目次
終活における片付けの意味とは?

なぜ終活の片付けが重要なのか
身の回りを整理することで、自分の気持ちがすっきりするだけでなく、残される家族の負担を大幅に減らすことができます。特に高齢化が進む現代では、生前整理としての片付けは多くの人にとって必須の活動になりつつあります。
統計データ: 遺品整理業者の調査によると、生前整理を行っていない場合、遺族の整理作業に平均3~6ヶ月かかり、費用も30~100万円程度必要になることが報告されています。
遺品整理と生前整理の違い
似ているようで異なるのが「遺品整理」と「生前整理」です。前者は亡くなったあとに家族が行うものであり、後者は本人が元気なうちに行うもの。生前整理の一環としての片付けは、自分の意志でできる貴重な機会といえるでしょう。
片付けを成功させる5つのコツ

コツ1:すべてを一度にやろうとしない
一気に全てを片付けようとすると、心身ともに負担がかかり挫折しやすくなります。「1日15分」「今日はこの引き出しだけ」といったミニマイルールが継続のカギです。
- 平日:1日15~30分(1つの引き出しや棚)
- 週末:1~2時間(1つの部屋の一角)
- 月1回:半日(クローゼットや押入れなど大きなスペース)
段ボール1箱分程度を1回の目標にすると達成感が得られます。
コツ2:「使っているかどうか」で仕分ける
「もったいない」気持ちを捨てきれず、物が減らせない方も多いですが、判断基準を「今使っているか」に統一することで迷いが減ります。
- 使っている(必要) → 保管
- 1年以上使っていない → 処分候補
- 迷うもの → 一時保管(3ヶ月後に再判断)
「この物を手放すことで、本当に必要な人のもとに届く」と前向きに考えることが大切です。
コツ3:思い出の品は”写真”で残す
処分しにくい思い出の品は、写真に撮ってデータとして残すことで物理的な整理が可能になります。
- 思い出のエピソードを音声メモで記録
- 日付や関係者名をファイル名に含める
- 家族と共有して思い出を継承
コツ4:書類やデジタル資産の整理も最優先で行う
保険や預貯金、パスワードなどの書類・デジタル資産も整理の対象として計画的に進めましょう。
- 保険証券・年金手帳
- 預貯金通帳・印鑑
- 不動産関係書類
- デジタルアカウントのID・パスワード
- 投資関係の書類
パスワード管理アプリの利用や重要情報を家族が確認できる場所に保管するのも有効です。
コツ5:家族とのコミュニケーションを大切にする
「どこに何があるか」を家族と共有することで、相続や遺品整理もスムーズになります。
- 「将来の負担軽減」といった実利的メリットの説明
- 「一緒に思い出を整理したい」という気持ちの共有
- 「元気なうちに自分でやりたい」という意志表明
片付けを始める前に押さえておきたいポイント

ゴール(目的)を明確にする
- 短期目標:「3ヶ月で寝室を整理」
- 中期目標:「1年で家全体の8割を整理」
- 長期目標:「家族に迷惑をかけない状態を作る」
片付け記録を残す
- 整理した日付・場所
- 処分したもの
- 保管場所を変更したもの
- 家族に伝えたいこと
ノートでもデジタルでも構いませんが、家族がアクセスしやすい形式にしましょう。
家族に迷惑をかけないための工夫

家族と一緒に進めるメリット
- 月1回など「片付けデー」を設定
- 思い出話をしながらゆっくり進める
- 家族の意見も尊重する
無理に捨てない姿勢も大切
- 保管期限を設ける(3ヶ月〜1年)
- 保管場所を決めておく
- 定期的に見直す
まとめ|片付けは”終活の第一歩”
終活の片付けは、人生を見つめ直し、これからをよりよく生きるための前向きな活動です。一度に完璧を目指すのではなく、自分のペースで、家族との会話を大切にしながら進めてみましょう。