墓じまいとは、現在のお墓を撤去して更地にし、遺骨を新しい納骨先に移す手続きです。
この記事では、墓じまいの流れ・必要書類・費用の目安をまとめて解説します。
墓じまいをスムーズに進めるための準備と注意点が分かります。
目次
墓じまいとは?手続きが必要になるケース
墓じまいの基本を理解することで、手続きをスムーズに進められます。
まずは墓じまいの意味と、どのような状況で必要になるのかを確認しましょう。
墓じまいを検討する主な理由
- お墓の継承者がいない、または将来が不安
- 墓地が遠方でお参り・管理が困難
- 維持費・管理費の負担を減らしたい
- 永代供養や樹木葬など、新しい供養方法に切り替えたい
初めてでも安心!墓じまいの手続きと流れを6ステップで解説
墓じまいには、親族間の合意形成から書類の準備、墓石撤去、そして新しい納骨先での納骨まで、いくつかの段階があります。
ここでは、初心者でもわかりやすいように6ステップに整理しました。
ステップ1|家族・親族との相談と合意形成
墓じまいは感情が絡むデリケートな問題です。
全員が納得するまで丁寧に話し合い、必要なら同意書を作成しておくと安心です。
ステップ2|墓地状況の確認と管理者への連絡
永代使用権の名義や墓地の契約条件、埋葬人数などを確認したうえで、墓地管理者に墓じまいの意思を伝えます。
寺院の場合は、離檀料の有無や金額も確認しておきましょう。
ステップ3|新しい納骨先の決定と契約
改葬には、新しい納骨先の「受入証明書」が必要です。
早めに納骨先を決め、契約を完了させておくことで手続きがスムーズに進みます。
主な選択肢と費用目安
- 永代供養墓:5万〜50万円
- 樹木葬:20万〜70万円
- 納骨堂:20万〜100万円
- 新規墓石:100万〜250万円
墓じまい後の遺骨の安置方法や費用の詳細は、こちらの記事もご覧ください。
ステップ4|必要書類の準備と改葬許可証の取得
墓じまいを進めるには、改葬許可証が必要です。
必要な書類を揃えて市区町村役場に提出し、許可証を取得します。
必要書類
- 改葬許可申請書(市区町村で取得)
- 埋葬証明書(墓地管理者が発行)
- 受入証明書(新しい納骨先が発行)
ステップ5|閉眼供養・遺骨取り出し・墓石撤去
墓石を撤去する前に、僧侶による閉眼供養(魂抜き)を行います。
その後、石材店に依頼して墓石を解体・撤去し、更地に戻します。
費用目安は、墓石撤去10万〜40万円、閉眼供養お布施2万〜5万円です。
ステップ6|新しい納骨先での納骨と開眼供養
改葬許可証を持参し、新しい納骨先に遺骨を納めます。
必要に応じて開眼供養(魂入れ)も行い、墓じまいは完了です。
墓じまいに必要な書類と取得方法
墓じまいでは、行政手続きに必要な書類を事前にそろえることが大切です。
ここでは代表的な書類と取得方法を紹介します。
改葬許可申請書
- 取得場所:現在の墓地がある市区町村
- 費用:無料〜数百円程度
- 記入内容:申請者情報、墓地情報、改葬先情報など
埋葬証明書
- 発行者:墓地管理者(寺院・霊園)
- 費用:1通300〜1,000円程度
- 内容:埋葬者の氏名・埋葬年月日・申請者との続柄
受入証明書
- 発行者:新しい納骨先の管理者
- 費用:無料が一般的
- 改葬許可申請に必須の書類
墓じまいにかかる期間とスケジュール目安
墓じまいは平均で3〜6か月かかります。
親族間の合意形成から書類取得、供養、墓石撤去、納骨までの流れを踏むため、短期間での完了は難しいのが実情です。
ステップごとの目安期間
- 家族・親族との相談と合意形成:1〜2か月
- 墓地管理者への連絡・新しい納骨先の決定:2〜4週間
- 書類準備と改葬許可申請:1〜3週間(自治体審査含む)
- 閉眼供養・墓石撤去:1〜2週間(業者の日程調整が必要)
- 新しい納骨先での納骨・開眼供養:1日〜1週間
全体スケジュールの例
実際のスケジュール例は以下の通りです。
- 1〜2か月目:親族間の話し合い、墓地管理者への相談
- 2〜3か月目:新しい納骨先の契約、必要書類の準備開始
- 3〜4か月目:改葬許可証の取得、閉眼供養の日程調整
- 4〜5か月目:墓石撤去と遺骨の取り出し
- 5〜6か月目:新しい納骨先での納骨・開眼供養
親族間の調整や業者の予約状況により、期間は前後します。
特にお盆や彼岸の時期は僧侶や石材店の予約が取りづらいため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
墓じまいの費用相場と内訳
墓じまいには、墓石撤去費用や供養費用、新しい納骨先の費用がかかります。
全体では30万〜150万円程度を目安にしましょう。
墓石撤去・更地化費用
- 10万〜40万円(墓石サイズや立地条件で変動)
手続き・証明書費用
- 3万〜8万円(行政書士依頼時を含む)
供養関連費用
- 閉眼供養・開眼供養:2万〜5万円
- 離檀料:0〜20万円(寺院の場合)
新しい納骨先費用
- 永代供養墓:5万〜50万円
- 樹木葬:20万〜70万円
- 納骨堂:20万〜100万円
- 新規墓石:100万〜250万円
費用が高くて悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてください。
墓じまいでよくあるトラブルと対策
墓じまいでは、親族間の意見の食い違いや書類不備による手続き遅延などが起こりがちです。
事前準備を徹底し、丁寧に説明や確認を行うことで防止できます。
親族間の意見対立
事前に丁寧な説明を行い、同意書を用意しておくと安心です。
墓地管理者との契約トラブル
永代使用権や契約条件を確認し、不明点は書面で質問しましょう。
必要であれば行政書士に相談するのも有効です。
書類不備による手続き遅延
事前に自治体へ確認し、書類のコピーを複数部準備しておくとスムーズです。
まとめ|計画的に進めれば墓じまいはスムーズに完了する
墓じまいは、親族間の合意形成から書類準備、供養、墓石撤去、新しい納骨先での納骨まで、一連の流れを踏む必要があります。
計画的に進めて必要な手続きを順に行えば、後悔のない墓じまいを実現できます。