終活の無料相談はどこに頼む？安心できる窓口や会社の選び方と活用法

「終活を始めたいけれど、誰に相談すればいいのか分からない」——そんな不安を、この記事で行動に変えましょう。

ここでは、無料で相談できる窓口の特徴、安心できる会社の見分け方、相談を最大化する準備と活用法まで、実務目線で解説します。

終活の無料相談とは？まず知っておきたい基本

終活の無料相談は、葬儀・供養・相続・遺言・介護・生前整理などの悩みを、初回無料または恒常的に無料で専門家や相談員に相談できる窓口の総称です。

社会背景として、2040年に単独世帯が約4割に達する見込みが示されており、老後不安や「ひとり終活」の備えの必要性が増しています（参考：厚生労働省「我が国の人口について」）。

無料相談で扱える主なテーマは？

• 葬儀の段取り・費用の目安・事前相談
• お墓・永代供養・樹木葬・納骨堂の選び方
• 遺言書の必要性と作成の進め方（公正証書・自筆）
• 相続の基本（誰がどれくらい相続するか・揉めないコツ）
• 生前整理（何から片づけるか・デジタル遺品の扱い）
• 介護・医療の希望整理（延命治療・ACP）

どこに終活相談する？4つの代表的な窓口

1. 自治体・公的機関

地域包括支援センター、社会福祉協議会、公民館の終活セミナーなど。営業目的がなく、中立的な情報に強いのが特徴です。例として、横須賀市の終活支援センターでは、無料相談や「わたしの終活登録」事業を案内しています。

向いている人：制度や地域サービスの情報が知りたい／まず全体像を掴みたい

2. NPO法人・ボランティア

「終活カフェ」など、緩やかな場で相談でき、同世代の体験談も得られます。

向いている人：敷居を下げて気軽に相談したい／地域の交流も欲しい

3. 民間企業（葬儀社・終活専門会社・士業連携・保険会社など）

専門性が高く、費用の概算や実務手順まで踏み込めます。反面、自社サービスの提案が前提のこともあるため、比較検討は必須です。

向いている人：具体的な見積もりや段取りを知りたい／短期間で意思決定したい

4. オンライン相談（LINE・Zoom・メール・チャット）

全国どこからでも匿名性を保ちやすく、記録が残るのがメリット。担当者の資格や実績は事前確認を。

向いている人：外出が難しい／時間が取りにくい／まずは匿名で試したい

終活相談のお悩み別窓口

終活といっても、人によって悩みや困りごとはさまざまです。ここでは、目的ごとに「どんな相談窓口を選ぶとよいか」を一覧にまとめました。実際に相談を検討する際の目安として活用してください。

お悩み・目的	主な相談先	相談できる内容	費用の目安
エンディングノートを作りたい	終活アドバイザー／行政書士／自治体のセミナー	書き方のアドバイス、記入サポート、内容の見直しなど	無料〜数万円（作成サポート付き講座）
財産・相続について整理したい	ファイナンシャルプランナー（FP）／弁護士／税理士／司法書士	資産の棚卸し、相続税・贈与の相談、遺言書の作成アドバイス	初回無料〜1時間5,000〜1万円前後
家の片づけや生前整理を進めたい	生前整理業者／地域包括支援センター	家財の整理、遺品整理、不要品の処分や引き取り	1R〜1LDK：3〜20万円／2LDK以上：10〜50万円程度
医療・介護・看取りについて話したい	地域包括支援センター／ケアマネージャー／医療ソーシャルワーカー	介護サービスの利用、在宅医療、延命治療の意向確認など	無料（公的機関窓口）
葬儀やお墓について相談したい	葬儀社／石材店／寺院・霊園管理事務所	葬儀プラン・費用の比較、永代供養や改葬手続きの案内	相談無料（見積作成・契約時に費用発生）
死後の手続きや事務を任せたい	司法書士／行政書士／終活支援会社	死後事務委任契約、遺品整理、役所・金融機関手続き代行	目安：80〜100万円前後（契約＋預託金含む）
スマホやSNSなどデジタル遺品が心配	IT系行政書士／終活カウンセラー	パスワード整理、SNS・サブスクの削除、データの引き継ぎ	初回無料〜2万円程度
最期の医療や暮らしを考えたい	医療ソーシャルワーカー／地域包括支援センター	ACP（人生会議）の進め方、ホスピス・介護施設の選び方	無料（自治体・病院相談室など）

安心できる窓口・会社の選び方（チェックリスト）

相談前に必ず確認したい5つのポイント

• 中立性：営業目的の有無を明示しているか。契約の即決を迫らないか。
• 資格・実績：担当者の保有資格（弁護士・司法書士・行政書士・FP等）や実務年数、相談件数。
• 費用透明性：無料の範囲と有料になる境目、見積もり根拠の提示。
• 個人情報保護：記録の扱い、プライバシーポリシーの明示。
• 比較可能性：セカンドオピニオンを歓迎しているか。

初回面談で使える「質問テンプレ」

• 無料の範囲はどこまでですか？有料化の条件と料金表は事前に見られますか？
• 同じご相談の対応実績と、平均的な期間・費用感を教えてください。
• 契約は今日決める必要がありますか？家族と持ち帰ってからでも構いませんか？
• 個人情報や記録はどのように保護されますか？
• 他社や公的機関を含む選択肢も教えてもらえますか？

こんなときは要注意！

• 今日契約すれば◯％割引と「即決」を迫る
• 見積根拠が曖昧、費用の上限を答えない
• 他社や公的窓口の選択肢を意図的に示さない
• 担当者の資格・実績を開示しない

ミニケースで学ぶ：あなたに合う終活相談窓口は？

ここでは、よくある3つのケースをもとに「どの窓口に相談すればよいか」「どんな順番で動くとスムーズか」を具体的に紹介します。自分の状況に近いケースを参考にしてみてください。

ケースA：親が遠方で、お墓の維持が難しい

長距離移動や維持費の負担から「墓じまい」を検討する人が増えています。

1. 公的機関（市区町村・地域包括支援センター）で、地域の助成制度や改葬手続きの流れを確認。
2. 民間業者（石材店・霊園・葬儀社）で撤去・永代供養の見積を比較。
3. 家族会議で方針を話し合い、改葬先や費用負担を決定。

この順番で進めると、費用や手続きの重複を防ぎ、親族全員が納得しやすくなります。

ケースB：ひとり暮らしで、費用感と手続きの全体像を知りたい

「何から始めればいいか分からない」場合は、まず無料の情報収集からスタートしましょう。

1. NPOや地域の終活カフェでグループ相談に参加し、同世代の事例を聞く。
2. オンライン相談（Zoom・LINE・メール）で専門家に個別相談。生活設計や遺言書の必要性を確認。
3. 必要に応じて、エンディングノートや公正証書遺言を整備。

初回は無料で相談できる窓口も多く、将来の見通しを立てる第一歩になります。

ケースC：不動産を含む相続で、揉めない遺言を作りたい

財産に土地・建物がある場合は、専門家を交えた慎重な準備が必要です。

1. 無料相談（自治体・司法書士会・弁護士会など）で全体の方向性を確認。
2. 専門家（弁護士・司法書士・税理士）に有料相談し、遺留分や税制を考慮した文案を作成。
3. 法務省の自筆証書遺言書保管制度を活用して法務局に預ける、または公証役場で公正証書遺言を作成。

専門家に早めに相談しておくことで、相続トラブルや税負担を防ぐことができます。

よくある質問（FAQ）

無料相談だけで完結しますか？

方向性の確認や情報整理には十分役立ちます。
書類作成や契約、法的判断が必要なら、弁護士・司法書士などの有料相談へ繋ぐと安全です。

どの窓口が自分に合うか分かりません

まずは中立的な公的窓口（地域包括支援センター等）で全体像を掴み、次に民間の見積比較やオンライン相談で具体化すると効率的です。

しつこい勧誘が不安です

即決を迫る、根拠のない割引を持ち出す等は要注意。
見積もりは必ず持ち帰って家族と共有、複数社比較を行いましょう。

オンライン相談は信用できますか？

担当者の資格・実務年数・口コミ、運営主体の素性、個人情報保護の方針を確認。記録の扱いも事前に合意しましょう。

無料の範囲はどこまで？

初回ヒアリングと方向性提示までが一般的。見積作成や同行、書面作成は有料になることが多いため、境界線の明示を求めましょう。

まとめ：無料相談を「次の一歩」に変える

終活の無料相談は、費用をかけずに不安を言語化し、行動の道筋を作る第一歩です。今日できることは3つ：

1. 中立性と専門性の両輪で窓口を1つ選ぶ（公的→民間→オンラインの順で）
2. 自分の希望のメモを作って予約する
3. 見積もりは必ず比較し、家族と合意形成する

「ひとまず相談してみる」だけで、次にやるべきことが具体的に見えてきます。最初の一歩を踏み出しましょう。