お墓を建てる際に避けて通れないのが「費用」の問題です。
石材店や霊園の見積もりを見て驚いた経験のある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お墓にかかる代表的な費用の内訳から、墓の種類ごとの相場、安いお墓を選ぶコツまでをわかりやすく紹介します。
これからお墓を検討する方が後悔しない選択ができるよう、網羅的に解説します。
目次
お墓の費用はいくら?種類別の相場一覧
2024年の調査によると、お墓の種類別の平均購入価格は以下の通りです。
お墓の種類別費用比較表
お墓の種類 | 平均価格(2024年) | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|---|
一般墓(従来型) | 149.5万円 | 100万〜300万円 | 家族で継承する伝統的なスタイル |
納骨堂 | 80.3万円 | 30万〜150万円 | 屋内保管型、アクセス良好 |
樹木葬 | 63.7万円 | 20万〜100万円 | 自然志向、環境に優しい |
永代供養墓 | 30万円前後 | 10万〜70万円 | 継承者不要、管理委託型 |
※データ出典:鎌倉新書「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」 / 公益財団法人 生命保険文化センター
お墓の費用内訳(一般墓の場合)
一般墓(総額149.5万円)の内訳:
- 墓石費用:97.4万円(65%)
- 永代使用料:30万〜80万円(20-25%)
- 管理費・その他:10万〜22万円(10-15%)
お墓にかかる費用の内訳と相場

お墓の費用は単一のものではなく、複数の項目で構成されています。ここでは主な内訳とそれぞれの最新の費用相場を見ていきましょう。
永代使用料(墓地代)
墓地を「買う」と思われがちですが、実際には「永代使用権」を取得する形です。永代使用料の相場は約30万円〜100万円で、霊園の立地や管理形態により大きく異なります。
2024年最新の永代使用料相場:
- 公営霊園:30万〜80万円
- 民営霊園:50万〜150万円
- 寺院墓地:80万〜200万円
都市部ほど価格は高く、郊外に行くほど安くなる傾向があります。
墓石費用(墓石価格)
墓石代の平均は97.4万円で、石の種類・サイズ・デザインによって決まります。
墓石価格の相場(2024年):
- 国産の高級石材(庵治石など):150万〜300万円以上
- 中国産・インド産など輸入石材:80万〜150万円前後
- シンプルな国産石材:60万〜120万円
彫刻の有無や加工の凝り具合も墓石価格に大きく影響します。
墓地管理費
年間の維持管理に必要な費用で、年間1万円前後が費用相場です。霊園の規模や運営母体により差があります。
管理費の相場(年間):
- 公営霊園:5,000〜10,000円程度
- 民営霊園:10,000〜20,000円前後
永代管理を選ぶ場合は、初期費用で数十万円が追加でかかるケースもあります。
その他費用(開眼供養・納骨など)
- 開眼供養(魂入れ):2万〜5万円+お布施
- 納骨式:数万円+祭壇設置料など
- 戒名彫刻:3万〜5万円程度
想定外の費用が発生しがちな項目なので、事前に確認しておくことが重要です。
お墓の種類別に見る費用相場

お墓のタイプによっても費用には大きな差があります。ライフスタイルや宗教観に合った選択ができるよう、それぞれの特徴と費用相場を見ていきましょう。
一般墓(従来型の家族墓)
- 費用相場:総額149.5万円(2024年平均、鎌倉新書調査)
- 内訳:墓石代97.4万円、土地利用料47.2万円
- 特徴:家単位で継承し続けるスタイル。土地使用料+墓石代が必要。
管理や清掃などが代々必要となりますが、家族のつながりを重視する人には根強い人気があります。
納骨堂(室内型墓所)
- 費用相場:80.3万円(2024年平均、鎌倉新書調査)
- 特徴:屋内保管型で、カード式や仏壇型のものも。
天候に左右されず、アクセスが良い都市型スタイルとして注目されています。
樹木葬
- 費用相場:63.7万円(2024年平均、鎌倉新書調査)
- 詳細価格帯:合葬型で5万円~20万円程度、個別型で40万〜100万円
- 特徴:墓石を使用せず、木の根元に埋葬する自然葬の一種。
墓石不要で管理費も少ないことから、環境志向の人に選ばれています。
永代供養墓
- 費用相場:30万円前後
- 詳細価格帯:10万円~30万円程度、個別型で50万〜150万円
- 特徴:霊園や寺院が管理し、子や孫に負担をかけない仕組み。
継承者がいない人や単身世帯には特に人気があります。
地域別のお墓費用の目安
地域によってお墓にかかる費用は大きく異なります。以下は一例です。
地域 | 公営霊園の墓地代 | 墓石費用(平均) |
---|---|---|
東京都 | 80万〜150万円 | 100万〜200万円 |
大阪府 | 60万〜120万円 | 90万〜180万円 |
愛知県 | 50万〜100万円 | 80万〜150万円 |
福岡県 | 40万〜90万円 | 70万〜140万円 |
地価が高い都市部ほど全体的に高くなる傾向が見られます。
安いお墓を選ぶための費用を抑えるポイント

費用を少しでも抑えたい方は、次の点に注意しておくとよいでしょう。
複数業者で見積もりをとる
1社だけの見積もりでは相場がわかりません。最低でも2〜3社に相談することで、適正価格を把握できます。
墓石価格の仕様を見直す
石材のグレードや彫刻の内容を見直すことで、数十万円の節約が可能になります。
管理費が安い霊園を選ぶ
初期費用だけでなく、ランニングコストにも注目しましょう。特に民営霊園では管理費が高めに設定されている場合があります。
永代供養や樹木葬を検討する
樹木葬なら63.7万円、永代供養墓なら30万円前後と、一般墓に比べて大幅に費用を抑えることができます。
よくある質問(FAQ)
Q: お墓の費用は誰が払うの?
A: 原則として施主(遺族)が費用を負担しますが、事前に本人が準備するケースも増えています。終活の一環として、元気なうちから検討する人も増えています。
Q: お墓の費用は相続税の対象になるの?
A: 基本的には非課税対象ですが、「墓地購入後に未使用のまま保有」している場合などは課税対象となるケースもあるため、専門家への確認をおすすめします。
Q: 最も安いお墓の種類は?
A: 樹木葬の合葬型が最も安価で、費用相場は5万円~20万円程度です。ただし、個別性や供養の方法に制限があるため、家族とよく相談してから決めることが大切です。
まとめ:後悔しないために費用と選び方のバランスを
お墓の費用は、墓地代・墓石代・管理費など多岐にわたります。2024年の調査では、一般墓で149.5万円、樹木葬で63.7万円、納骨堂で80.3万円が平均的な相場となっています。さらに、お墓の種類や地域によって大きく異なるため、情報収集と比較検討が重要です。
費用だけで判断せず、自分や家族にとって納得のいくかたちを見つけることが後悔しないお墓選びの第一歩です。