年忌法要はいつまで続けるべき?三十三回忌・五十回忌の”やめどき”と判断ポイント

年忌法要はいつまで続けるべき?三十三回忌・五十回忌の"やめどき"と判断ポイント

「年忌法要はいつまで続ければいいの?」「親族が減ってきたけど、まだ続けるべき?」——そんな疑問を抱いたことはありませんか。
仏教の慣習として長く続けられてきた年忌法要ですが、現代ではライフスタイルや家族構成の変化により、その”やめどき”に悩む方も増えています。
本記事では、年忌法要の意味や目的をあらためて確認しながら、三十三回忌・五十回忌をひとつの区切りとする理由や、やめどきを判断する5つのポイント現代的な供養の選択肢について詳しく解説します。

年忌法要とは?意味と目的を簡単に解説

お墓詣り

年忌法要は、故人の命日を節目ごとに偲び、供養するための法要です。亡くなってから一定年数ごとに行われる「年忌法要」と呼ばれる形式が一般的です。

そもそも法要とは

法要とは、故人の冥福を祈るために僧侶にお経をあげてもらう仏教儀式です。葬儀後の初七日や四十九日といった「忌日法要」と、年単位で行う「年忌法要」に分かれます。

年忌法要の「年忌」とは

「年忌」とは、「あることを一定期間続けること」や「節目」を意味する言葉。年忌法要とは、特定の年数(1年、3年、7年など)ごとに営む供養のことを指します。

年忌法要はいつまで続けるのが一般的?

年忌法要の「やめどき」は、宗派や地域、家族の事情によって異なります。ここでは一般的な目安とその背景を解説します。

よく行われる年忌法要の一覧と費用目安

回忌実施時期規模費用目安
1周忌満1年大規模15〜30万円
3回忌満2年中規模10〜20万円
7回忌満6年中規模8〜15万円
13回忌満12年小規模5〜10万円
17回忌満16年小規模3〜8万円
23回忌満22年家族のみ3〜5万円
27回忌満26年家族のみ3〜5万円
33回忌満32年家族のみ3〜8万円
50回忌満49年家族のみ3〜8万円

→ 33回忌または50回忌を最後にする家が多く、100回忌は非常にまれです。

年忌法要の「やめどき」として選ばれる3つの節目

年忌法要をいつまで続けるかは家庭によって異なりますが、近年は「ある節目を最後にする」という考え方が一般的になりつつあります。
中でも多く選ばれているのが、三十三回忌・五十回忌・十三回忌のいずれかを「区切り」とするパターンです。
それぞれの意味や背景を詳しく見ていきましょう。

三十三回忌で終了(最も多い)

三十三回忌は、故人が亡くなってから満32年後に行う年忌法要で、「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼ばれる特別な意味を持つ節目です。
仏教ではこの法要をもって故人の魂が成仏し、現世とのつながりを手放すとされます。

真言宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗などでは、三十三回忌をもって年忌法要を終えるのが一般的で、多くの家庭がこのタイミングを「やめどき」としています。
「ここまで十分に供養した」という区切りをつけやすく、無理のない負担の中で最後の法要として丁寧に営まれることが多いです。

五十回忌で終了(より丁寧に供養したい家庭)

五十回忌は、亡くなってから満49年目にあたる年忌法要で、三十三回忌以降もさらに供養を続けたいと考える家庭に選ばれる節目です。
家制度が色濃く残っていた時代には、ご先祖様を丁寧に弔う象徴的な法要として位置づけられていました。

現代では実施例は少なくなっていますが、「家の歴史を大切にしたい」「祖父母や曾祖父母まできちんと見送りたい」という思いを持つ家庭には今も選ばれています。
親族間の絆を再確認する場として、意義深い法要になることもあります。

十三回忌で終了(現実的な区切りとして)

十三回忌は、亡くなってから満12年後に行う法要で、近年はこの節目で区切りをつける家庭が増えています。
高齢の施主にとって体力的・経済的な負担が大きくなりがちであることや、次世代が遠方で忙しく、継承が難しいといった現実的な事情が背景にあります。

十三回忌を最後にして、以降は家族だけでお墓参りをするなど、シンプルな形で故人を偲ぶスタイルに移行するケースも多く見られます。
供養の気持ちは保ちつつ、生活に無理のない形に整える選択として注目されています。

いつやめるのが正解?5つの判断ポイント

二世帯家族

年忌法要を続けるか終えるかを考える際には、感情的な側面だけでなく、現実的な事情を見つめ直すことが大切です。以下の5つの観点をもとに判断すると、家族全体が納得しやすくなります。

参列者数の変化:参列者が10人以下になった

年々参列者が減ってきて、法要を営んでも数人しか集まらない——そんな状況になった場合は、一つの判断材料になります。会場の手配や会食の準備も大変になるため、「供養の場」としての意味合いが薄れてきたと感じることもあります。

施主の年齢と体力:施主が75歳を超えた

法要の準備には、会場の予約、僧侶への依頼、親族への連絡など多くの負担がかかります。施主が高齢になり、これらの準備を一人でこなすのが難しくなってきた場合、無理をせず区切りを考えるタイミングかもしれません。

経済的な負担:法要費用が年収の3%以上になる

法要には会場費、御布施、会食など意外と多くの費用がかかります。もし毎年の法要が家計を圧迫しはじめているようであれば、「無理なく続けられる形」へと見直すことが重要です。たとえば家族だけの法要や日常供養への切り替えも選択肢のひとつです。

継承者の状況:次世代が遠方・忙しい・関心が薄い

次の世代が遠方に住んでいたり、仕事や育児で多忙だったりする場合、法要を継続していくのは現実的に難しくなっていきます。また、仏教的な供養の慣習への理解や関心が薄れていることも多く、世代間の意識のギャップを考慮することも大切です。

親族の合意:無理強いせず納得を得る

最も重要なのは、親族全体の合意です。誰かが「続けるべき」と思っていても、他の人が負担を感じているようであれば、感情的なすれ違いが生まれてしまいます。丁寧に話し合いながら、みんなが納得できる形での「やめどき」を探ることが大切です。

このように、気持ちだけでなく状況に目を向けた判断が、円満な供養の区切りにつながります。

やめどき判断チェックリスト

基本事項の確認

  • 年忌法要の区切りを明確にしている
  • 高齢者への負担が大きくない
  • お寺との関係が明確である
  • お墓の継承者が決まっている
  • 親族の意見が一致している

実務面の確認

  • 10人以上の参列が見込める
  • 施主が75歳未満で体力がある
  • 家計への負担が大きくない
  • 準備がスムーズにできる

気持ちの面の確認

  • 供養の気持ちが高まる
  • 親族が集まるよい機会になる
  • 次世代が理解し継続したいと思っている

→ 5項目以上チェックが入らない場合は、やめどきを検討するタイミングかもしれません。

年季法要を円満にやめるための3つのステップ

年忌法要を終えるタイミングは、家族の価値観や状況によってさまざまです。

大切なのは、「もう十分に供養できた」と心から納得できる形で区切りをつけること。

そして、その決断を親族やお寺にもきちんと共有し、感謝の気持ちを伝えることです。

円満に法要を終えるためには、以下の3つのステップを踏むことをおすすめします。

家族内での話し合い(6ヶ月前)

まずは、家族や近しい親族と年忌法要の今後について話し合うところから始めましょう。参列者の減少、施主の高齢化、経済的な負担など、現在の状況を正直に共有した上で、「この先いつまで続けるのか」「どのタイミングで一区切りつけるのか」といった見通しを立てていきます。

この段階では、「こうしなければならない」と結論を急がず、家族一人ひとりの気持ちや事情に耳を傾けることが大切です。オンラインでの供養や永代供養への切り替えなど、現代的な選択肢についてもあわせて検討すると、より柔軟で現実的な方向性が見えてきます。

お寺への相談(3ヶ月前)

家族間で方針がまとまったら、次は菩提寺やお世話になっている僧侶に相談しましょう。年忌法要を終了したいと伝える際は、これまでの供養への感謝を伝えた上で、「高齢で準備が難しくなった」「次の世代への継承が難しい」といった理由を丁寧に説明することがポイントです。

あわせて、今後はどのような形で供養を続けていくつもりか(たとえば永代供養の検討や、命日にお墓参りを続けることなど)を伝えることで、僧侶側も理解しやすくなります。お寺によっては、弔い上げにあたって特別な法要を提案してくれることもあります。

最後の法要を丁寧に(当日)

年忌法要を終了すると決めた場合、その最後の回忌は「弔い上げ」として、これまで以上に丁寧に営むのが理想です。当日は、参列者にこれまで供養を続けてきた背景や、今回を一区切りとする意図を簡単に説明し、感謝の気持ちを伝えましょう。

お斎(会食)の席では、故人との思い出を語り合ったり、写真やアルバムを見返したりといった演出を取り入れると、温かい雰囲気の中で供養の節目を迎えることができます。形式的に終わらせるのではなく、「しっかりと見送った」という実感を共有することが、円満な弔い上げにつながります。

年忌法要をやめる決断は簡単ではありませんが、最近では終活コンシェルジュによるLINE相談や、葬儀社・仏壇店による無料セミナーなど、気軽に相談できるサービスが充実しています。

また、高齢や遠方などで準備が難しい場合は、法要代行サービスを活用するのも一つの方法です。

お寺や親族と話す際は、できれば半年前から余裕をもって相談を始めましょう。

年齢や経済的事情も含めて正直に伝え、「感謝の気持ちを伝える場」として捉えることで、納得のいく形での区切りが見えてきます。

まとめ|年忌法要は「やめどき」も供養の一部

年忌法要は大切な供養のひとつですが、現代では「どこで終えるか」も重要な選択です。三十三回忌や五十回忌をひとつの区切りとして、家族の状況に合わせた判断をすることが望まれます。
大切なことは形式ではなく、故人への感謝の気持ちを持ち続けることです。法要を終えても、日々の暮らしの中で故人を偲び、感謝する心があれば、それが何よりの供養になるでしょう。

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