年賀状じまい文例|年代別に見る感謝が伝わる書き方とマナー

年賀状じまい文例|年代別に見る感謝が伝わる書き方とマナー

長年続けてきた年賀状。「そろそろ終わりにしたいけれど、どう伝えれば失礼にならないのだろう」と悩む方も多いのではないでしょうか。

近年では、体力や生活環境の変化、デジタル化の影響などから「年賀状じまい」を選ぶ人が増えています。

とはいえ、これまでのご縁を大切にしたい気持ちもあり、やめ方には慎重になりたいものです。

この記事では、そんな方に向けて、感謝を込めて円満に伝える「年賀状じまい」の文例を年代別に紹介します。

「ありがとう」で締めくくる、あなたらしい“終い方”の参考にしてください。

年賀状じまいとは?まず押さえたい基本

年賀状

近年、「年賀状じまい」という言葉を耳にする人が増えています。

これは「今年をもって年賀状でのご挨拶を終えます」と相手に伝える挨拶のこと。高齢化や生活スタイルの変化、デジタル化の進展を背景に、毎年の年賀状を負担に感じる人が増えているためです。

年賀状じまいは、単に“やめる”という行為ではなく、これまでの関係に感謝を伝える「区切りの挨拶」です。

終活の一部としての「年賀状じまい」

年賀状じまいは、人との縁を整理する終活の一歩にもなります。
心の負担を減らし、今の自分らしい関係を築くための前向きな選択です。
「寂しい」「後悔しそう」という感情が湧くのは自然なこと。

しかし、感謝を添えた年賀状じまいは「縁を切る」ものではなく、「これまでのご厚情に感謝する節目」。終活を通じて、人間関係の形をより穏やかに見直す機会にもなります。

年賀状じまいの文面に含めるべき6つの要素

年賀状じまいの文面には、感謝と丁寧さを保つための基本構成があります。以下の6要素を押さえておくと、どの相手にも失礼のない自然な文面になります。

  1. 終いの旨を伝える:「本年をもちまして年賀状でのご挨拶を最後とさせていただきます」など。
  2. 理由を添える:高齢、体調、生活環境の変化など前向きな理由を軽く。
  3. 感謝の言葉:「長年にわたりご厚情を賜り感謝申し上げます」。
  4. 今後の関係を示す:「これからも変わらぬお付き合いを」など。
  5. 代替手段(任意):SNSやLINEなど、今後の連絡手段を添える。
  6. 締めの挨拶:「皆さまのご健康をお祈りいたします」など。

年代別・関係別の年賀状じまい文例集

年齢や立場によって、伝える言葉や理由の表現は異なります。この章では、40代から80代までの年代別に「自然で心温まる文例」と、使い分けのポイントを紹介します。

40代向け:ライフスタイルの変化を理由に

子育てや仕事で忙しい40代では、時間的な理由をやわらかく伝えるのが自然です。「生活の変化」という表現で、相手に理解してもらいやすくなります。

日頃より温かいお付き合いをありがとうございます。
生活の変化に伴い、本年をもちまして年賀状でのご挨拶を終えさせていただきます。
今後もSNSなどでつながりを続けていけましたら幸いです。

50代向け:人生の節目として感謝を込めて

50代は、仕事や家庭での転機を迎える時期。「節目」という言葉を使うことで、前向きな印象を保ちながら丁寧に伝えられます。

長年にわたりご丁寧なご挨拶を賜り、心より感謝申し上げます。
人生の節目を迎え、年賀状によるご挨拶を本年限りといたします。
皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

60代向け:体力面を考慮して穏やかに

体調や時間のゆとりを大切にしたい60代には、「無理のない暮らし」を理由にする表現が好印象です。

長年にわたり温かいお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。
体力の衰えもあり、年賀状でのご挨拶を本年限りとさせていただきます。
今後とも皆さまのご健勝をお祈り申し上げます。

70代・80代向け:感謝を中心に穏やかに

70代以降では、長い年月の交流に感謝する姿勢が重視されます。理由を控えめにし、「これまでありがとう」を前面に出すと自然です。

長きにわたり年始のご挨拶を交わさせていただき、心より感謝申し上げます。
高齢となり筆を執ることが難しくなりましたため、本年をもちまして終えさせていただきます。
皆さまのご健康とご多幸をお祈りいたします。

ビジネス関係向け:礼儀を保ちながら簡潔に

ビジネスシーンでは、私的な理由を避け、業務上の効率化を理由にするのが無難です。「今後ともよろしくお願いいたします」で締めると好印象です。

平素より格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
勝手ながら、業務効率化の一環として来年より年賀状でのご挨拶を控えさせていただきます。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

年賀状じまいを出す時期と伝え方のマナー

年賀状じまいは、書く内容だけでなく「いつ・どう伝えるか」も大切です。ここでは、時期や伝え方のポイントを整理します。

出すタイミング

12月上旬〜25日ごろまでに投函し、「最後の年賀状」として添えるのが自然です。新年以降に伝える場合は、寒中見舞いで行うのも良い方法です。

寒中見舞いで伝える場合

喪中や新年に重ねたくない場合は、1月7日〜2月初旬の間に「寒中見舞い」として伝えます。「寒中お見舞い申し上げます」に続けて、じまいの旨を一文添えましょう。

相手から年賀状が届いたとき

すでに年賀状じまいを伝えていても、返信は不要です。親しい相手には、「お気遣いありがとうございます」とだけ返すのも温かい対応です。

よくある質問(Q&A)

年賀状じまいを伝えたあと、また再開してもいい?

はい、問題ありません。「再びご挨拶を差し上げたくなりました」と一言添えれば自然です。

年賀状じまいを伝えた相手から届いた場合は?

感謝の気持ちを伝えれば十分です。返事を強制せず、柔らかく受け取る姿勢を大切にしましょう。

まとめ|感謝で締める“年賀状じまい”は、新しい関係のはじまり

年賀状じまいは、礼儀正しく関係を整える「心の整理」です。理由を明確にし、前向きな言葉で締めくくることで、相手に温かさと誠意が伝わります。感謝を込めた“最後の一枚”で、自分らしい終い方を見つけましょう。