SNSのアカウントやネット銀行の暗証番号——もし今夜突然あなたが動けなくなったら、家族はそれらを見つけられますか?
解約されないまま課金が続くサブスク、ログインできないまま放置されるクラウドの写真、誰も知らないネット口座……
デジタル資産が多い若い世代だからこそ、準備が間に合わなくなるリスクも大きいのです。
この記事では、20〜30代向けの無料エンディングノートアプリ・テンプレートを厳選紹介します。
各アプリのセキュリティ比較・書き方のコツ・SNSの死後設定手順まで、若い世代が本当に必要な情報をまとめました。
目次
なぜ若いうちから必要?デジタル遺産時代の理由3つ

理由① デジタル資産が「誰にも分からないまま残る」リスク
スマホやPCの中には、SNS、ネット銀行、サブスク契約、写真、動画、連絡帳……現代の生活の大半が詰まっています。
ログイン情報を知らなければ、家族は口座の存在すら確認できません。
サブスクは解約されないまま毎月引き落とされ続けることも。
デジタル資産の整理を残しておくことは、残された人の混乱や負担を防ぐ思いやりです。
理由② 災害・事故は年齢に関係なく起こる
地震や豪雨などの自然災害、感染症、突然の病気や事故……私たちは年齢に関係なく予測不能なリスクと隣り合わせで暮らしています。
「まさか自分が」と思っていても、もしものときに家族が迷わないよう備えておくことは未来の自分と大切な人を守る行動です。
理由③ 医療の希望を残せるのは「今の自分」だけ
延命治療への希望、臓器提供の意向——これらは突発的な状況下で家族が最も判断に困ることです。
元気なうちにエンディングノートに書き残しておくことで、家族の精神的負担を大幅に軽減できます。
【エンディングノートを残していないと起こること】
| ネット銀行が凍結 | 存在の把握に時間がかかり手続きが煩雑になる |
|---|---|
| 相続手続きが長期化 | 資産の所在が不明なまま |
| サブスクが解約されず | 毎月課金が続く |
無料エンディングノートアプリ比較【まとめ】特徴・セキュリティ・向き不向き
【アプリ vs 紙テンプレート どちらが向いている?】
| 評価軸 | 📱 アプリ | 📄 紙テンプレート |
|---|---|---|
| 手軽さ・始めやすさ | ◎ | ○ |
| セキュリティ | ○(暗号化あり) | △(保管場所に依存) |
| 家族との共有 | ◎(リンク共有等) | △(手渡しのみ) |
| 内容の更新しやすさ | ◎(いつでも編集) | △(書き直し手間) |
| 気持ちを丁寧に整理 | △ | ◎(手書きの良さ) |
どちらか一方に限る必要はありません。スマホアプリで日常的に管理しつつ、大切な気持ちは紙に書き残すという組み合わせが最もおすすめです。
1. わが家ノート(提供:三菱UFJ信託銀行)

| 無料範囲 | ※最新の無料/有料区分は公式サイトで要確認 |
|---|---|
| 対応OS | iOS・Android・Web |
| 主な機能 | エンディングノート作成/健康管理/見守り機能/家族との共有機能 |
| セキュリティ | 金融機関が提供するサービスとして、一定のセキュリティ対策が講じられている |
| 向いている人 | 家族と情報を共有したい人・健康管理も一緒にしたい人 |
2. つなぐノート

| 無料範囲 | ※最新の無料/有料区分は公式サイトで要確認 |
|---|---|
| 対応OS | iOS・Android |
| 主な機能 | 財産・健康・ID・将来の希望を一元管理/情報共有タイミングの設定/暗号化機能 |
| セキュリティ | 暗号化機能あり。共有タイミングを細かく設定可能 |
| 向いている人 | 情報共有のタイミングを自分でコントロールしたい人 |
3. SOU-SOU(ソウソウ)

| 無料範囲 | 基本機能は無料。※詳細な無料/有料区分は公式サイトで要確認 |
|---|---|
| 対応OS | iOS・Android・Web |
| 主な機能 | エンディングノート機能/デジタル手紙機能/メモリアルページ |
| セキュリティ | ※公式サイトでデータ保管先・暗号化方式を要確認 |
| 向いている人 | 大切な人へのメッセージを「時間を超えて」届けたい人 |
4. わたしの未来:終活準備ノート(提供:カラダノート)
| 無料範囲 | 基本機能は無料。資産・葬儀等の詳細記録は月額有料プランあり(詳細は公式サイトで要確認) |
|---|---|
| 対応OS | iOS・Android |
| 主な機能 | 終活ノート機能/相続・葬儀に関するコンテンツ解説/ヘルスケアアプリとの連携 |
| セキュリティ | クラウドサーバーに保管(詳細は公式サイトで要確認) |
| 向いている人 | 終活を学びながら進めたい人・健康管理も一緒にしたい人 |
⚠️ アプリ共通の注意点:アプリのサービスが終了した場合、データが消失するリスクがあります。
重要な情報は定期的にエクスポートまたはスクリーンショット等でバックアップしておくことをおすすめします。
無料テンプレート比較【PDF・Excel・自治体配布版別】
| 種類 | 特徴 | スマホ記入 | 印刷不要 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| Excel版(無料DL各種) | PC入力・自由にカスタマイズ可能。Excel必要 | △ | ○ | PCをよく使う人・項目を自由に追加したい人 |
| 自治体配布版(PDF) | 市役所窓口でも入手可。地域によって内容が異なる | △ | ×(印刷前提) | 紙の冊子として手元に置きたい人 |
| Microsoft Office版 | Word/PPT形式。Office搭載PCが必要 | × | ○ | Officeに慣れている人・詳細にカスタマイズしたい人 |
若い人が書くべき項目チェックリスト【20代・30代別】

| 項目カテゴリ | 📘 20代向け | 📙 30代向け |
|---|---|---|
| 基本情報 | 氏名・生年月日・住所・緊急連絡先 | 同左+パートナー・子どもの情報 |
| デジタル資産 | SNSアカウント一覧/パスワード管理アプリの存在と場所/サブスク一覧 | 同左+ネット証券・クラウドストレージ |
| 金融 | メインバンク名・支店名/奨学金残高/クレジットカード | 住宅ローン情報/生命保険・死亡保険金の連絡先/電子マネー残高 |
| 医療 | アレルギー情報/延命治療への希望 | 同左+かかりつけ医の連絡先 |
| その他 | ペット情報/好きな音楽(葬儀BGM)/デジタル写真の扱い希望 | 遺言書の意向/家財の処分希望/ペット情報 |
⚠️ パスワードについての注意:パスワードをノートに直接書くと盗難・紛失時のリスクがあります。
パスワード管理アプリ(1Password・Bitwarden等)を使って管理し、そのアプリのマスターパスワードの保管方法だけを記録しておくことをおすすめします。
すべてを完璧に書かなくてもOKです。まずは「基本情報」と「デジタル資産」の2カテゴリだけでも書き始めてみましょう。
書き方のコツ|最初の3ステップ(続けやすい方法)

「書こう」と思っても何から手をつければいいか分からず手が止まる……そんな方は、この順番で始めてみてください。
① 緊急時に連絡してほしい人の情報
両親、兄弟、友人、パートナーなど、「この人には必ず知らせてほしい」という人の名前・電話番号を書きましょう。
LINEだけでつながっている場合は、本名や他の連絡手段も忘れずに。
② 医療や治療についての希望
「延命治療は希望しない」「臓器提供はOK」など、自分の希望を簡単な言葉で残しておくだけでOKです。
はっきり書けなくても「考え中」と書いておくだけでも家族の助けになります。
③ SNSやスマホのアカウント情報
Instagram、X(旧Twitter)、YouTube、LINEなど、使っているSNSやアカウント名のリストをつくってみましょう。
ロック解除の方法やバックアップ保存先(iCloud、Googleフォトなど)のメモも添えるとより安心です。
書く順番に迷ったら「連絡先 → 医療 → SNS」。この3つから始めるだけで十分な第一歩になります。
- 時間があるときに少しずつ書く
- 思いついたことからメモする
- 未記入のまま残してもOK
ライフイベントのたびに見直す習慣をつけると更新が続きやすくなります。
就職・引越し・同棲開始・結婚・奨学金完済など、生活の変化があったタイミングが更新のサインです。
SNS・デジタル資産の整理方法【各サービス別 死後の手順】
エンディングノートに「SNSアカウント一覧を書く」だけでは不十分です。
各サービスには死後に家族が取れる手続きがあり、本人が生前に設定しておける機能もあります。
サービスごとに確認しておきましょう。
| サービス | 死後にどうなるか | 本人が生前にできること |
|---|---|---|
| 放置、または家族が死後に「追悼アカウント」への移行を申請できる | 生前に事前設定する機能はない。アカウント名・IDをノートに記録しておき、家族が申請できるよう伝えておく | |
| X(旧Twitter) | 非アクティブアカウント削除ポリシーはあるが、実際の運用は限定的。家族が削除申請できる仕組みもある | 「データのアーカイブ」をDLして保管しておく。アカウント名・IDをノートに記録 |
| 「追悼アカウント」への移行、または削除申請が可能 | 設定 → 「追悼アカウント管理人」に信頼できる人を登録しておく | |
| Google(Gmail等) | 家族が申請できる場合もあるが審査があり、必ずしもアクセスできるわけではない | Googleアカウント設定 →「アカウント無効化管理ツール」で、一定期間後に自動でデータを送る人を事前設定できる(生前設定が最も確実) |
| ネット銀行 | 死亡届の提出後、口座は凍結。相続手続きで凍結解除できるが各行で手続きが異なる | 口座番号・金融機関名・支店名をノートに記録しておく(暗証番号の直書きは不可) |
| サブスク各種(Netflix・Spotify等) | 誰も解約手続きをしなければ、クレジットカードが有効な限り課金が続く | 利用中サービスの一覧・支払い方法をノートに記録。支払いカードも記録しておく |
⚠️ 各SNS・サービスの仕様は随時変更されます。上記はあくまで執筆時点の情報です。
詳細は各サービスの公式ヘルプページで必ずご確認ください。
よくある質問(FAQ)
エンディングノートは20代・30代でも必要ですか?
はい、必要です。SNSアカウントやネット銀行、サブスク契約などデジタル資産を多く持つのは若い世代だからこそ、準備の重要性は高いといえます。
災害や事故など予期せぬ事態は年齢に関係なく起こります。早めに備えておくことが安心につながります。
何から書けばいいですか?
まずは「緊急連絡先」「医療の希望」「SNSやスマホの情報」の3つから始めましょう。
すべてを完璧に書く必要はありません。思いついた部分から少しずつ書くことが続けるコツです。
内容は途中で変更できますか?
何度でも更新できます。ライフステージや考え方の変化に合わせて気軽に書き直してOKです。
就職・引越し・同棲・結婚などのライフイベントが更新のタイミングの目安になります。
紙とアプリ、どちらがいいですか?
両方を組み合わせるのが最もおすすめです。アプリはいつでも更新・共有が簡単で、紙は手書きで気持ちを整理しやすい利点があります。
日常的な情報管理はアプリ、大切な気持ちや想いは紙に書くという使い分けが効果的です。
エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?
最大の違いは法的効力の有無です。エンディングノートには法的拘束力がなく、相続手続きには使えません。
遺産の分配など法的に有効な意思表示が必要な場合は、別途「自筆証書遺言」または「公正証書遺言」の作成が必要です。
エンディングノートはあくまで「家族への情報・希望の伝達ツール」としてご活用ください。
一人暮らし・独身でも書いた方がいいですか?
むしろ一人暮らし・独身の方こそ必要性が高いといえます。
緊急時に連絡できる人が少ない場合、「誰にどこへ連絡するか」の情報を残しておくことが特に重要です。
また法定相続人が親のみという場合も多く、デジタル資産の整理情報を残しておくと家族の負担を大幅に減らせます。
パスワードをノートに書いてもいいですか?
直接書くのはリスクがあるため、おすすめしません。ノートの盗難・紛失時に悪用される可能性があります。
パスワード管理アプリ(1Password・Bitwarden等)で管理し、そのアプリへのアクセス方法のみをノートに記録しておく方法が安全です。
家族に見られたくない場合はどうすればいいですか?
鍵付きボックスへの保管や、デジタル暗号化が有効です。
アプリはパスワード保護、紙のノートは鍵付き金庫や信頼できる人への預け先を決めておきましょう。
「どこに保管しているか」を信頼できる一人にだけ伝えておく方法もおすすめです。
奨学金が残っている場合、書いておくべきことは?
奨学金の種類・残額・貸与機関(日本学生支援機構等)の連絡先を記録しておきましょう。
なお奨学金は種類によって相続や連帯保証人への影響が異なります。
詳細については専門家(司法書士・弁護士)への相談をおすすめします。
アプリのサービスが終了したらデータはどうなりますか?
サービス終了時にデータが消失するリスクがあります。
重要な情報は定期的にエクスポート(PDF出力・スクリーンショット等)してバックアップを取っておくことをおすすめします。
複数のツールに分散して保管しておくのも一つの方法です。
エンディングノートに書いた内容に法的な力はありますか?
エンディングノートには法的拘束力はありません。
記載内容は「本人の希望・意向」として家族の参考になりますが、相続や医療行為の判断に法的な強制力を持つものではありません。
法的に有効な意思表示が必要な場合は、遺言書の作成や成年後見制度の利用を専門家にご相談ください。
まとめ|若い世代こそ、エンディングノートを自分ごとに
エンディングノートは「年配の人が書くもの」という時代ではなくなっています。
SNSの死後設定・ネット銀行の凍結・サブスクの解約——デジタル資産が多い若い世代だからこそ、備えておく意味は大きいのです。
- まずは無料アプリをダウンロードしてスマホで始める
- SNSの死後設定などデジタル資産の整理も今日から一歩ずつ
- ライフイベントのたびに内容を見直す習慣をつける
まずは1ページからでもOK。無料アプリを活用して、あなたらしいエンディングノートを始めてみましょう。
okusokuでは、終活や相続、デジタル遺品整理に関する情報を、正確でわかりやすくまとめています。読者の方が「迷わず次のステップに進める」「家族と安心して話し合える」ように、実用的で保存して役立つコンテンツづくりを心がけています。

