高齢の家族が老人ホームや介護施設に入居している場合、「施設葬とはどのような葬儀なのか」と疑問に感じる方も多いでしょう。
施設で最期を迎える人が増えるなか、葬儀をどこで行うかは重要な判断になります。施設葬は、その選択肢のひとつです。
この記事では、施設葬とは何かを整理したうえで、本当に施設で葬儀ができるのか、実施している施設の例や注意点まで詳しく解説します。
目次
施設葬とは?老人ホームで行う葬儀の基本

施設葬とは、老人ホームや介護施設などの入居先で執り行う葬儀のことを指します。
葬儀場へ移動せず、故人が生活していた施設内で見送る葬儀です。
住み慣れた場所で最期を迎え、そのまま見送れる点が特徴といえます。
家族や施設関係者にとっても、移動の負担が少ない方法です。
施設葬のメリット

暮らしてきた場所で、親しい人に見送ってもらえる
施設葬の最大のメリットは、故人が生活してきた場所で最期を迎え、その場で見送ってもらえることです。
長年関わってきた職員や入居者にとっても、日常の延長線上で自然にお別れができるため、形式的な葬儀とは異なる温かさがあります。
「暮らしの場で見送る」という点は、精神的な安心や納得感につながる重要な要素といえるでしょう。
高齢の家族や参列者の身体的負担を軽減できる
高齢の家族が多い場合、葬儀場までの移動や段差のある会場は大きな負担になります。
介護施設はバリアフリー設計であることが多く、エレベーターや手すりなどの設備が整っています。
移動の負担を最小限に抑えられることは、現実的なメリットのひとつです。
おひとり様でも葬儀の方向性を事前に決めやすい
身寄りが少ない方の場合、「自分の葬儀はどうなるのか」という不安を抱えることがあります。
施設によっては葬儀社と連携しているケースもあり、生前に相談できる場合もあります。
死後の不安を軽減できる選択肢になる点は、大きな安心材料といえるでしょう。
施設と家族の連携が取りやすい
施設で看取りまで行われた場合、職員が状況を把握しているため、家族との連携が比較的スムーズに進みやすい傾向があります。
亡くなった直後の混乱の中でも、一定のサポートが受けられる可能性があります。
ただし対応範囲は施設ごとに異なるため、事前確認は欠かせません。
施設葬は本当にできる?実施できる条件

施設葬ができるかどうかは、施設の方針によって異なります。すべての老人ホームや介護施設で実施できるわけではありません。
施設はあくまで入居者の生活の場であるため、葬儀の実施に関して独自のルールを設けていることがあります。事前確認が欠かせません。
三思園での施設葬の取り組み事例
青森県青森市の社会福祉法人中央福祉会が運営する特別養護老人ホーム三思園では、2020年8月から施設葬を開始したと報じられています。
福祉仏教関連メディアの記事では、職員が白装束への着替えや納棺、式典の進行などを担い、施設内で見送る取り組みが紹介されています。
- 開始時期:2020年8月から開始
- 内容:白装束への着替え、納棺、居室安置、出棺まで職員が対応
- 費用例:白装束・棺・花代など最低限の内容で15万円以下になるケースもあると紹介されている
このように、施設によっては独自の形で施設葬に取り組んでいる事例もあります。ただし、すべての介護施設で同様の対応が可能なわけではありません。
最新の実施状況や費用、対応条件については、必ず各施設へ直接お問い合わせください。
事前に確認すべきポイント
施設葬を検討する場合は、次の点を必ず確認しておきましょう。
- 施設内で葬儀を実施できるか
- 安置室を利用できるか、利用時間の制限はあるか
- 参列人数に上限はあるか
- 宗教儀礼への対応は可能か
- 亡くなった後の搬送期限はあるか
最初に「できるかどうか」を確認することが、後悔を防ぐ第一歩になります。
施設葬を検討するときの注意点

施設側に必ず確認すべき事項
施設葬が可能かどうかは、施設の方針によって異なります。事前に確認しておくことで、突然の場面でも落ち着いて対応できます。
確認すべき主な項目は以下の通りです。
- 施設内で葬儀を実施できるか
- 安置室の利用可否と利用時間
- 参列人数の上限
- 宗教儀礼への対応可否
- 搬送までの期限
施設との事前確認がトラブル防止の鍵となります。
また施設によっては、遺体を長時間安置できない場合があります。その場合、自宅や葬儀会社の安置室を利用することになります。
代替案を事前に考えておくことが、落ち着いた対応につながります。
まとめ|施設葬とは、暮らした場所で静かに見送る選択肢
施設葬とは、老人ホームや介護施設で最期を迎えた方を、その場所で見送る葬儀のかたちです。
長く過ごした環境で、職員や身近な人に見送ってもらえることは、遺族にとっても故人にとっても大きな安心につながるでしょう。
一方で、すべての施設で実施できるわけではなく、時間や参列人数の制限など注意点もあります。まずは施設の方針を確認し、無理のない形で準備を進めることが大切です。
大切な人とのお別れの時間が、慌ただしいものではなく、心を込めた穏やかな見送りとなるように、できるところから考えてみましょう。
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