遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者(または被保険者であった人)が亡くなったときに、生計を維持されていた遺族に支給される公的年金です。
一方で、「遺族年金は一生もらえるのか」「いつから支給が始まり、いつまで続くのか」といった点が分かりにくく、不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、「遺族年金 いつからいつまでもらえる」という疑問に対して、制度の基本、受給開始時期、受給が終わるタイミングに加え、誰がもらえるのかといくらもらえるのかの目安まで整理して解説します。
目次
結論|遺族年金の受給期間は条件で決まる

遺族年金という言葉から、「配偶者は生涯もらえるもの」とイメージされがちです。
しかし実際には、遺族年金の受給期間は一定ではなく、条件によっては途中で終了します。
まずは、遺族年金の受給期間がどのように決まるのか、全体像を理解することが重要です。
遺族年金は、加入していた年金制度、受給者の年齢、子どもの有無といった条件によって、「いつから」「いつまで」もらえるかが決まります。
遺族年金の種類と基本ルール
遺族年金の対象となるのは、亡くなった方に生計を維持されていた遺族です。
判断では「同居かどうか」だけでなく、生活実態や収入の条件も見られます。
- 生計を同じくしていること(同居が基本。別居でも仕送りなど生活実態があれば認められる場合があります)
- 収入要件(前年の収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満が目安)
内縁(事実婚)の配偶者でも、婚姻に準じる実態があり、上記要件を満たす場合は対象となることがあります。
また、遺族年金を正しく理解するためには、まず制度の種類の違いを押さえることが欠かせません。
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。
遺族基礎年金とは

遺族基礎年金は、亡くなった方が国民年金に加入していた(または一定の要件を満たす)場合に、生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給される年金です。
ポイントは、遺族基礎年金が子どもの生活保障を目的としているため、原則として子どもがいない配偶者だけでは受給できない点です。
また、受給期間は基本的に子が18歳になる年度末まで(障害のある子は20歳まで)となり、子の成長に合わせて終了する仕組みです。
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金は、亡くなった方が厚生年金に加入していた(または一定の要件を満たす)場合に、生計を維持されていた配偶者や子などに支給される年金です。
遺族基礎年金と違い、子どもがいない配偶者でも受給できる可能性があるのが大きな特徴です。
一方で、遺族厚生年金は受給できる遺族に優先順位があり、状況によって「誰が受け取るか」が変わります。さらに、子のない妻で30歳未満の場合は原則5年間など、年齢・家族構成によって受給期間が異なる点にも注意が必要です。
種類別の対象者
| 年金の種類 | 主な受給対象者 | 押さえるポイント |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 子のある配偶者・子 | 子がいない場合は対象にならない |
| 遺族厚生年金 | 配偶者・子・父母・祖父母など | 優先順位により支給対象が決まる |
遺族年金はいつからいつまでもらえる?

遺族年金の支給は、原則として亡くなった日の翌月分から始まります。
請求手続きの時期にかかわらず、制度上の起算点は共通です。
受給がいつまで続くかは、年金の種類や受給者の条件によって異なります。
特に「子どもの年齢」「配偶者の年齢」は重要な判断基準です。
【早見表】遺族年金は受給期間
| 遺族の立場 | 年金の種類 | いつからもらえる? | いつまでもらえる? |
|---|---|---|---|
| 子のある配偶者 | 遺族基礎年金 | 死亡日の翌月分から | 子が18歳になる年度末まで(障害がある場合は20歳まで) |
| 子のある配偶者 | 遺族厚生年金 | 同上 | 原則、生涯 |
| 子のない30歳未満の妻 | 遺族厚生年金 | 同上 | 原則5年間 |
| 子のない30歳以上の妻 | 遺族厚生年金 | 同上 | 原則、生涯 |
| 子のない夫 | 遺族厚生年金 | 55歳以降(支給は60歳から) | 原則、生涯 |
遺族年金はいくらもらえる?
遺族年金の金額は一律ではなく、制度の種類や家族構成、亡くなった方の加入状況によって変わります。
ここでは「計算の考え方」と「目安」を押さえ、イメージを持てるようにします。
遺族基礎年金|基本額+子の加算が中心
遺族基礎年金は、基本額に加えて、子の人数に応じた加算が上乗せされます。
年度によって金額は見直されるため、最新額は公式情報で確認するのが安心です。
| 家族構成 | 年間支給額の目安 |
|---|---|
| 配偶者+子1人 | 約100万円台 |
| 配偶者+子2人 | 約130万円台 |
遺族厚生年金|老齢厚生年金の報酬比例部分の約4分の3
遺族厚生年金は、亡くなった方が将来受け取る予定だった老齢厚生年金(報酬比例部分)のおよそ4分の3が目安です。
加入期間や給与水準で差が大きいため、正確な金額は年金事務所等で確認するのが確実です。
遺族年金が途中で終わるケースに注意

遺族年金は、一度もらい始めた後でも、一定の事由で支給が止まることがあります。
「いつまでもらえるか」を考えるうえで、終了パターンを知っておくことが重要です。
子どもが一定年齢に達したとき
遺族基礎年金は、子どもの年齢が支給の基準になります。
終了時期を事前に把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
再婚・事実婚と判断された場合
再婚すると、原則として遺族年金は支給停止となります。
法律婚でなくても生活実態によって判断される場合があるため、注意が必要です。
受給要件を満たさなくなった場合
遺族年金は受給要件を満たし続けることが前提です。
状況の変化があった場合は、早めに確認しておくと安心です。
遺族年金についてよくある質問
働いていても遺族年金はもらえますか?
はい、働いていても遺族年金を受給できるケースは多くあります。
ただし、遺族年金を受給するためには「生計維持要件」を満たしている必要があり、前年の収入が一定額(目安として850万円未満)であることが条件となります。
パートや正社員として働いていても、収入要件を満たしていれば受給できる可能性があります。
再婚したら遺族年金はどうなりますか?
原則として、再婚すると遺族年金の受給権は消滅します。
法律上の婚姻だけでなく、生活実態から事実婚と判断された場合も、支給停止となる可能性があります。
そのため、再婚を考える際は、遺族年金への影響を事前に確認しておくことが大切です。
遺族年金がもらえないのはどんなケースですか?
代表的なケースとして、次のような場合があります。
- 生計維持関係が認められない場合
- 収入要件を超えている場合
- 遺族基礎年金で、子どもがいない配偶者のみの場合
- 再婚や事実婚と判断された場合
「配偶者=必ずもらえる」とは限らないため、条件の確認が重要です。
まとめ|遺族年金は「いつから」「いつまで」を知ることが大切
遺族年金は、残された家族の生活を支える重要な公的制度です。
一方で、受給期間には明確な条件があり、途中で終了するケースもあります。
「いつから始まり、いつまで続くのか」を正しく理解し、あわせて誰がもらえるかやいくらもらえるかの目安を押さえることが、将来への不安を減らす第一歩です。
制度の仕組みを知り、自分の状況に当てはめて確認してみましょう。
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