終活は、遺言書や財産整理だけでなく、医療面の準備も欠かせません。
人生の最期を迎えるにあたり、どのような医療を受けたいか、または受けたくないかを事前に決めておくことが、家族や医療機関にとって大きな助けとなります。
本記事では、医療準備の重要性や具体的なステップを紹介し、誰でも実践できる準備方法をお伝えします。
終活における医療準備を進めるための実践的なアクションが分かります。
目次
終活の一環としての医療準備の重要性
終活とは、自分の人生を終える準備を事前に行うことです。
遺言書や財産整理がよく取り上げられますが、医療面の準備も非常に重要です。
終活における医療準備とは、終末期にどのような医療を受けたいか、または受けたくないかを事前に決めておくことです。
例えば、延命治療を希望するかどうか、痛みを和らげるための治療の希望、最期を迎える場所の希望などを明確にすることが、あなたの意志に沿った医療を受けるために必要な準備となります。
医療準備をすることで、万が一の時に家族が迷わず選択をし、医療従事者とスムーズに意思疎通を図れるようになります。
今やるべき、医療準備の3つのステップ
医療準備を効果的に進めるための具体的なステップをご紹介します。順序立てて取り組むことで、漏れなく準備を進めることができます。
ステップ1:事前指示書(リビングウィル)とその作成方法
リビングウィルは、自分が意識を失った場合に受ける医療の方針を記載した書類です。自分が延命治療を希望しない、あるいは特定の治療を望む場合に有効です。
- 延命治療(人工呼吸器、心肺蘇生術など)への意向
- 痛みを和らげる治療への希望
- 栄養・水分補給方法への意向
- 臓器提供に関する意思
- 療養場所の希望(自宅、病院、ホスピスなど)
作成時の注意点
- 具体的で明確な表現を使用する
- 定期的に内容を見直し、必要に応じて更新する
- 家族や主治医と内容を共有する
- 複数部作成し、関係者に配布する
この書類を作成することによって、家族や医療機関に自分の意思を明確に伝えることができ、万が一の時に意思が尊重されるため、事前に準備しておくことが非常に大切です。
ステップ2:医療機関との連携方法
医療準備を進める際には、主治医との事前の話し合いが重要です。自分の健康状態や希望する治療について医師としっかり相談することで、将来の医療選択肢を決めておくことができます。
- かかりつけ医との定期的な相談
- セカンドオピニオンの活用
- 医療ソーシャルワーカーとの面談
- 緊急時の連絡体制の確立
- 現在服用中の薬リスト
- 過去の手術歴・入院歴
- アレルギー情報
- 家族の医療歴
- 緊急連絡先一覧
また、必要な連絡先や治療歴をまとめ、家族や信頼できる人々と共有しておくと、いざという時にスムーズに対応できます。
ステップ3:尊厳死・延命治療に関する選択肢
終末期には、延命治療を受けるか尊厳死を選択するかという重要な選択があります。これを決めておくことで、もしもの時に自分の希望を反映させた医療を受けることができます。
- 人工呼吸器の装着・継続
- 心肺蘇生術(CPR)の実施
- 人工栄養・水分補給
- 人工透析の継続
- 抗がん剤治療の継続
- 日本尊厳死協会への登録(年会費2,000円)
- 尊厳死宣言書の作成と公正証書化
- 家族・親族への意思表示
- 主治医への事前相談
リビングウィルを作成し、尊厳死や延命治療に関する希望を明確にしておくことで、家族や医師に不安を与えることなく、自分の意志に沿った最期を迎えることが可能になります。
医療準備の実践的なアクションプラン
ここでは、医療準備を実践するための具体的な行動計画を紹介します。これらのアクションを一つずつ実行することで、準備が着実に進みます。
今日から始めるべきこと
- 主治医との面談を設定し、今後の治療方針について話し合う
- 健康診断を受ける(年1回の人間ドックなど)
- 家族との初回話し合いを行い、医療準備に関する意向を伝える
今月中に完了させること
- リビングウィルを作成し、延命治療の希望や療養場所を決める
- 医療・介護施設のリストを作成し、見学を検討する
- 重要書類(保険証書、医療情報など)を整理し、家族と共有する
3ヶ月以内に達成したい目標
- エンディングノートの完成
- 家族全員への医療準備情報の共有
- 必要な専門家への相談を実施
年間スケジュール例
- 春:健康診断・がん検診受診
- 夏:家族会議・書類見直し
- 秋:施設見学・情報収集
- 冬:1年間の振り返り・計画修正
まとめ
医療準備は、終活において非常に重要な要素であり、事前にしっかりと準備しておくことで、家族の負担を減らし、穏やかな最期を迎えることができます。リビングウィルを作成することから始まり、主治医との相談や、予防医療を積極的に取り入れることが重要です。
今すぐできることから始め、段階的に進めていきましょう。終活は早すぎることはありません。自分らしい最期の準備をしっかり行い、穏やかな時間を迎えましょう。