【失敗しない選び方】デジタル遺品整理業者とは?料金相場・選び方・注意点

【失敗しない選び方】デジタル遺品整理業者とは?料金相場・選び方・注意点

「スマホのロックが解除できない…」「SNSやクラウドに大切な写真があるのに見られない」——大切な人が遺したデジタル資産に、どう対応すればいいのか分からず困っていませんか?

近年、デジタル遺品整理を専門とする業者へのニーズが高まっています。

本記事では、依頼できる内容・費用相場・失敗しない業者選びのポイントを徹底解説。さらに、生前からできる対策まで、実践的にまとめました。

デジタル遺品整理業者とは?

デジタル遺品整理業者は、PCやスマホ内のデータ、クラウドアカウント、SNSなど、形のない「デジタル遺品」の整理・削除・引継ぎをサポートする専門サービスを提供します。

そもそも「デジタル遺品」とは?

デジタル遺品の一例

「デジタル遺品」という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。ですが今や、スマートフォンやSNS、ネット銀行などを使っていない人の方が少なくなってきました。誰にでも関係する“見えない遺品”として、注目が集まっています。

  • スマホ・パソコンの中の写真や動画
  • LINE・Instagram・X(旧Twitter)などのSNSアカウント
  • クレジットカードの明細やネット銀行のログイン情報
  • iCloud、Googleドライブなどのクラウドデータなど

デジタル遺品整理業者の主なサービス内容と料金相場

サービス内容 主な対応内容 料金相場(税込)
スマホ・PCロック解除 パスコード解析、顔認証解除、アクセス不能端末の復旧 2万〜5万円(高難度は数十万円)
SNS・クラウドアカウント整理 Facebook・Instagramの削除/追悼化、LINEトーク履歴の整理、iCloud・Googleドライブの共有見直し 5千円〜2万円(内容により変動)
データ復旧・完全削除 HDD/SSD内のデータ復旧、削除証明書付き完全消去 3万〜8万円(重度障害は数十万円)
クラウドデータ整理 クラウド内のファイル分類、共有範囲の変更、不要データの削除 1万〜3万円
サブスク・契約情報の整理 定期課金の解約代行、利用履歴の整理、不要契約の停止 5千円〜1.5万円
デバイス初期化・処分 PC・スマホの初期化、データ完全消去、廃棄証明書の発行 1万〜2万円

※料金はあくまで目安です。端末の状態や作業難易度によって変動します。
見積もり時に「追加費用の有無」「作業報告書・削除証明書の発行」を必ず確認しましょう。

業者を選ぶ5つのポイント

デジタル遺品整理は、スマホやPC、クラウド上の個人情報を取り扱う非常に繊細な作業です。そのため、「どの業者に依頼するか」が、安心かつ安全に整理を進めるうえで最大の鍵となります。

価格の安さだけで判断すると、後々トラブルになる可能性も。ここでは、信頼できる業者を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介します。

いずれも見落とすと情報漏洩や費用トラブルにつながる恐れがあるため、依頼前にしっかり確認しておきましょう。

  1. 許認可や資格の有無(古物商、プライバシーマーク、遺品整理士)
  2. 情報漏洩防止の体制(社内完結、作業記録、個室対応)
  3. 対応地域・緊急対応の有無(出張・郵送・24h受付など)
  4. 作業の透明性(詳細な見積もり・完了報告書の発行)
  5. 法的配慮(相続人確認、第三者情報の扱いなど)

業者選定時の必須質問リスト

信頼できそうな業者が見つかったら、契約前にいくつかの質問を投げかけてみましょう。質問への対応や回答の明確さは、その業者の姿勢や信頼性を見極める大きな判断材料になります。

以下では、依頼前に必ず確認しておきたい項目をリスト形式でご紹介します。事前にメモしておくことで、比較検討がしやすくなり、「思っていた内容と違った…」というトラブルを防ぐことができます。

  • 作業はどこで行う?(出張か社内か)
  • 外部委託の有無は?
  • 解除失敗時の料金は?
  • 削除証明書は発行される?
  • キャンセル料・支払い方法は?

自分で対応する場合との比較

項目 自力対応 業者依頼
費用 0円(時間コスト) 3〜10万円前後
成功率 低い 70〜90%
セキュリティ 不安あり 専門対策あり
所要時間 長期化しがち 即日〜数日

悪質業者に注意!トラブル事例と対策

トラブル

トラブル例

  • 解除できないiPhoneに対して30万円の前金を請求された
  • 故人の写真がネットに流出していた
  • 前金支払い後に連絡が取れなくなった

対処法

  • 相見積もりを取り、不審点があれば依頼しない
  • 契約書に秘密保持・返金条件を明記
  • 後払い・成功報酬型を選ぶ

生前整理でできるデジタル資産の備え

万が一に備えて、亡くなった後に家族が困らないようにするためには、生前のうちからデジタル資産を整理しておくことが非常に重要です。

パスワードの管理や、アカウントの所在を家族に伝えておくだけでも、相続や手続きの負担は大きく軽減されます。この章では、今日から始められる具体的な備えの方法をご紹介します。

生前整理でできる3つの備え

  • ① パスワード管理ツールを使う
    Googleパスワードマネージャーや1Passwordなどで、緊急時に備えた設定をしておくと安心です。
  • ② デジタル終活アプリを活用
    終活アプリを活用することで、家族と情報を安全に共有できます。
  • ③ 家族に情報を伝えておく
    アカウントの一覧やパスワードのヒント、資産の所在などは早めに共有を。

よくある質問(FAQ)

Q1:デジタル遺品整理業者って本当に安全ですか?

A:信頼できる業者であれば、個人情報保護体制(プライバシーマーク取得・遺品整理士資格など)が整っており、安全に作業してもらえます。

依頼前に「古物商許可」や「作業報告書の発行」があるかを確認しましょう。

Q2:スマホのロック解除を業者に頼むのは合法ですか?

A:所有権・相続権のある家族が依頼する場合は合法です。

ただし、第三者が無断でアクセスするのは不正アクセス禁止法違反にあたります。業者も本人確認や相続書類の提示を求めるのが一般的です。

Q3:費用が高くなるのはどんなケース?

A:スマホやHDDの物理的損傷・暗号化解除・重度のデータ復旧が必要な場合は高額になります。

数万円〜数十万円になるケースもあるため、事前に複数社の見積もりを取り、成功報酬型を選ぶのがおすすめです。

Q4:悪質業者を見分けるポイントは?

A:以下の特徴がある業者は注意が必要です。

・料金を「前払いのみ」で要求
・契約書や作業報告書を出さない
・住所・会社情報が不明瞭

不審に感じた場合は契約を控え、警察庁や消費者庁の相談窓口に連絡しましょう。

まとめ|信頼できる業者選びと早めの備えが安心への第一歩

  • デジタル遺品の整理は技術・法律・情報管理の観点で専門家の力が必要
  • 見積り・契約時の確認を徹底し、後払い・成功報酬型を活用
  • 生前から情報整理をしておけば、残される家族の負担を大きく減らせる

もしもの時に備え、今日からできる「デジタル終活」をはじめてみましょう。