お墓を建てる際にもっとも気になるのが「費用」です。
平均はいくらなのか、どんな内訳があるのか、初めての方にはわかりにくい部分も多いでしょう。
本記事ではお墓の最新の相場、平均費用と内訳、さらに費用を抑えるコツまでをわかりやすく解説します。
目次
お墓の費用はいくら?平均相場
2024年の全国調査※1によると、一般墓の平均購入価格は149.5万円です。内訳は以下の通りです。
- 永代使用料(土地利用料):47.2万円
- 墓石費用:97.4万円
- 管理費・その他諸経費:10〜22万円
最も多い価格帯は100〜120万円で約12%を占めます。過去5年で平均価格は176.2万円→149.5万円と減少傾向です。
お墓の費用内訳と隠れ費用
お墓の費用は主に次の3つに分けられますが、その他にも費用がかかります。
- 永代使用料(墓地代):30〜100万円(立地・管理形態で変動)
- 墓石費用:50〜150万円(石種・サイズ・デザインで変動)
- 管理費(年間):5,000〜20,000円
さらに想定しておくべき費用は次の通りです。
- 開眼供養(魂入れ):2〜5万円+お布施
- 納骨式:数万円+祭壇設置料など
- 戒名彫刻費:3〜5万円/名
- 墓石クリーニングや磨き直し:5〜30万円
初めて建墓する方は、これらの諸費用も含めて計画すると安心です。
永代使用料(墓地代)の相場と地域差
永代使用料はお墓を建てる土地の使用権料です。都市部ほど高額で、郊外ほど低めの傾向があります。
地域 | 平均土地使用料 | 平均区画面積 |
---|---|---|
東京都 | 49.6万円 | 0.63㎡ |
大阪府 | 42.4万円 | 1.47㎡ |
愛知県 | 41.0万円 | 1.50㎡ |
福岡県 | 53.8万円 | 1.66㎡ |
都心部は狭い区画でも高額になり、地方は面積が広くても比較的安価です。
墓石費用の相場と価格を決める要素
墓石費用の平均は97.4万円ですが、次の要素で変動します。
- 石材の種類(国産高級石材は150〜300万円以上)
- 石の使用量・サイズ(区画が広いほど高額)
- 彫刻や加工の有無(オーダーメイドは高額)
- 施工条件(搬入経路や地盤整備状況)
国産石は高価ですが耐久性や希少性に優れ、輸入石材はコストを抑えやすい傾向があります。
墓地管理費の目安
- 公営霊園:5,000〜10,000円/年
- 民営霊園:10,000〜20,000円/年
- 寺院墓地:6,000〜25,000円/年
永代管理を選ぶ場合は、初期費用で数十万円かかる場合もあります。管理費を滞納すると永代使用権を失う可能性があるため注意しましょう。
種類別に見るお墓の費用相場
お墓の種類 | 平均価格 | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|---|
一般墓 | 149.5万円 | 100〜300万円 | 家族で継承する伝統的なお墓 |
納骨堂 | 80.3万円 | 20〜150万円 | 屋内型で天候に左右されにくい |
樹木葬 | 63.7万円 | 5〜100万円 | 自然志向・墓石不要、管理費も安め |
永代供養墓 | 30万円前後 | 5〜150万円 | 継承者不要・管理委託型 |
合祀墓 | 3〜30万円 | 3〜30万円 | 最も安価だが遺骨の取り出し不可 |
※1 出典:鎌倉新書「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」
近年は樹木葬や永代供養墓など、新しい供養の形も増えています。
詳しくはこれからのお墓のあり方とは|時代とともに変わる供養のかたちをご覧ください。
費用を抑えるためのポイント
- 複数の石材店で見積もりを取り比較する
- 石材のグレードや彫刻をシンプルにする
- 管理費が安い霊園や公営霊園を選ぶ
- 樹木葬・永代供養墓など維持費の少ないタイプを検討する
初期費用だけでなく、ランニングコストまで含めて検討することが節約のコツです。
まとめ:後悔しないお墓選びのために
お墓の費用は永代使用料・墓石費用・管理費などで構成され、平均は一般墓で149.5万円前後です。地域や種類、石材によって大きく変わるため、十分な情報収集と比較検討が重要です。
費用だけで判断せず、家族にとって納得できるかたちを選ぶことが、後悔しないお墓選びの第一歩です。
※出典:鎌倉新書「第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)」/公益財団法人 生命保険文化センター